霊感商法など統一協会の被害対策にあたる全国霊感商法対策弁護士連絡会(全国弁連)が先月17日から2日間、全国集会を東京で開催し、同連絡会の弁護士、家族が信者となっている父母、救出の相談を受けている牧師、支援する市民らが参加した。各地の弁護士による報告では、現在もなお巧みに姿を変えて生き残る統一協会による被害報告がなされ、複雑化する統一協会問題へのさらなる対策の必要性が浮き彫りとなった。
集会では、全国弁連傘下の霊感商法被害救済担当弁護士連絡会(被害弁連)の渡辺博事務局長による基調報告、弁護士からの裁判提起報告や判決報告などがあった。1975年に入信し韓国で日本人の指導者となり99年に脱会した元信者は体験談の中で、合同結婚で韓国人男性と結婚後渡韓した日本人女性の多くから配偶者との不仲や生活苦などの悲惨な生活を聞いたと報告した。また、合同結婚式の実態や文鮮明一家の醜聞など、最近の統一協会情報にも触れた。
また、東大教授で日本宗教学会の島薗進会長が「現代宗教と暴力オーム真理教考察」と題して講演し、「『カルト』という言葉はあまり使わず、『内閉化』という言葉がよい。『マインドコントロール』という言葉もあまり使わない」などと提案した。現代の新宗教について、オウムの麻原彰晃、幸福の科学の大川隆法を例に挙げ、生きた人間を神とする宗教は日本に多く、師の神化がオウムのような宗教団体を生み出したと述べた。