国際ウィクリフ聖書翻訳協会(以下、ウィクリフ協会)は今後10年間でサハラ以南のアフリカに住むバントゥ系民族の約半数を対象とした聖書翻訳を完成させると発表した。約1400万人分に相当、使用言語は250種類にも及ぶという。
ウィクリフ協会は過去70年間で600以上の言語に聖書翻訳をした。同協会のブルース・スミス代表は声明の中で、今回のプロジェクトの背景として、特定の民族を狙った虐殺や宗教間摩擦、継続的名政治不安の中に生きる人々を意識したと明かした。人々が聖書に出会い、困難な状況の下にあっても励まされ、良い変化が現れるように願っているという。
翻訳を担当する会員と支援者はケニアの首都ナイロビに作業所を来夏までに開設する。同国ではキリスト教徒に敵対的な風潮が高まっており、不安定な情勢や作業所の建設費用と併せてプロジェクトの懸念材料となっている。
ウィクリフ協会によると、世界で聖書翻訳のなされていない言語は現在のところ2700ある。同協会は2025年までにこれらの翻訳の完成をめざしている。