職場で、人間関係に悩んでいる人々は年々増加している。聖書をテキストに人間関係を円滑に築く知恵を学ぼうと、ビジネスパーソンを救いに導く伝道団体「インターナショナルVIPクラブ」が21日、日本ヒューレット・パッカード株式会社コーポレートマーケティング本部長の富岡徹郎氏をファシリテーターに招き、「聖書から学ぶヒューマンリレーション・セミナー」(全4回)を開催した。今回はその第3回目。会場のお茶の水クリスチャンセンター(OCC、東京・千代田区)には、ビジネスマンらおよそ30人が集まった。
このセミナー全体の主題は「すべての人と平和を保ちなさい」(ローマ12:18)。前回までは、人間関係における信頼と尊敬の土台を構築するために、どのような心構えを持てばいいのか、また土台構築の助けとなるテクニックについて学んできた。何よりも一番の基本となる心構えは、「何事でも自己中心や虚栄からすることなく、へりくだって、互いに人を自分よりもすぐれた者と思いなさい」(ピリピ2:3)という主イエスが示した愛の姿。また人間関係構築の具体的なテクニックとして、聖書の教えから「2マイルルール」(マタイ5:41)などを提唱した。
3回目となる今回のセミナーでは、「すべて、疲れた人、重荷を負っている人は、わたしのところに来なさい。わたしがあなたがたを休ませてあげます」(マタイ11:28)という、人を勇気付け、癒すための最高のメッセージを人々に与え続けたイエスの福音を見ながら、人を勇気付けて癒すことができる「祝福のコミュニケーション」について学んだ。
残念ながら人は、しばしば自己中心的な思考に陥り、相手に「与える」コミュニケーションではなく、逆に人を落胆させ、力を失わせる「奪う」コミュニケーションをしてしまう。そのコミュニケーションが与える負のエネルギーが蓄積されると、相手は憂鬱になり、全くやる気をなくしてしまう。
イスラエルの最初の王サウロは、次に王となる若いダビデを嫉妬した。サウロはダビデに常に不のエネルギーを与え続けた。しかしダビデは常に、人ではなく神を見あげた。サウロが常に周りの評価を気にし、低い自己評価をしていたのに対し、ダビデは「自分が主から愛されている」という絶対的な確信を持ち、人を恐れずに主を恐れた。ダビデが神を見上げるとき、2人の間にあった負のコミュニケーションはいつもポジティブなコミュニケーション、主への賛美へと変化した。
富岡氏は、「何も思い煩わないで、あらゆるばあいに、感謝をもってささげる祈りと願いによって、あなたがたの願い事を神に知っていただきなさい」(ピリピ4:6)、「あなたがたの思い煩いを、いっさい神にゆだねなさい。神があなたがたのことを心配してくださるからです」(?ペテロ5:7)の2つの御言葉を信じて行うことが、人間関係の秘訣であると強調した。
第4回目(最終回)となる次回のセミナーは7月19日(水)、場所はお茶の水クリスチャンセンター(OCC)で行われる。セミナーに関する問い合わせは担当(電話:03・3295・0146、メール:[email protected])まで。