かつてはシンガーソングライター「久保田早紀」として世に知られ、現在はCCMアーティスト・教会音楽家として活躍している久米小百合(くめ・さゆり)さんが21日、東京・お茶の水クリスチャンセンター8階の大ホールにて行われた、ゴスペル宣教グループZawameki(ざわめき)の7年目スタート記念賛美集会「Zawamekiワーシップシャウトスペシャル」にゲスト出演した。久米さんは会場で、自身が作詞・作曲した楽曲を含む計7曲を披露。会場に集まった150人以上の観衆らは、久米さんが歌う心のこもった賛美に静かに聴き入った。
Zawamekiの代表でボーカルを務める滝元開師の紹介によって導かれ、ステージに立った久米さんがまず披露したのは、本人が「大好き」と語るゴスペル歌手の岩渕まことさんの楽曲。透き通るような歌声をアカペラで会場全体に響かせた。続けて、詩篇133編の「見よ。兄弟たちが一つになって共に住むことは、なんというしあわせ、なんという楽しさであろう」という一節をやさしいメロディに合わせてヘブライ語で賛美。観衆らを魅了した。
2つの楽曲を歌い終えた久米さんは、「『お父さん』のことをヘブライ語で『アバ』と呼びます。『アバ』というのはとても親しい呼び方で、『パパ』とか『ダディ』と呼ぶような楽な雰囲気です。私たちのお父さんは天にいる父なる神さまですが、その神さまのことを『アバ』と楽に呼ぶことができるのはすごい恵みだと思います」と語った。その愛する父なる神さまに捧げる賛美として久米さんが次に披露したのは、自身が作詞・作曲した2つの楽曲。得意のピアノの弾き語りで2曲を一気に歌い上げた。
一つは、十字架につけられたイエスから逃げた弟子たちの姿と状況を想像しながら作られた楽曲。「みんな黙っていたのに、みんな知っていたのに、みんなみんな黙ったままで、たった一人、あの人だけが、あの人一人、真実だった、みんなみんな知っていたのに、みんなみんな黙ったままで・・・」。アップテンポの曲調に合わせ、まるで戯曲を披露するかのように賛美した。そしてもう一曲は、復活したイエスと弟子たちの交わりの様子を想像しながら作られた楽曲。「ごちそうの並んだテーブルで憎みあっているよりも、乾いたパンを分け合うほうがいい、それが彼のいつもの口ぐせ、一人ぼっちのあの子を誘っておいでよ、一緒にパンと魚で乾杯しよう・・・」。イエスの霊がその場に降り、温かくやさしい空気が会場を包み込んだ。
さらに久米さんは、自身の息子と一緒に飛行機から見た風景を詩にした楽曲やゴスペル音楽院の生徒が作ったオリジナル曲を披露した。
最後に久米さんは、自身が伝道小冊子「パワー・フォー・リビング」で証しをしたことについて触れた。「あの広告が出された時はとても大変でした」と久米さんは語った。テレビCMや新聞・雑誌等で同小冊子の宣伝広告が出回った今年1月の上旬に、週刊誌の記者が久米さんのもとを次々に訪れたという。
秘密主義のアーサー・S・デモス財団の活動を手伝うことには初めから抵抗があった。「怪しい財団が・・・」といった見出しが週刊誌に記載されることも予想できた。そのため、当初は財団の関係者との「やる」「やらない」のメールのやり取りが続けられたという。「子どもが学校でいじめられないか?」と不安になることもあった。「『この踏み絵を踏むべきか、それとも踏むべきではないか』、そういう感じだった」と久米さんは当時を振り返った。
「しかし最後の決め手となったのはイエス様のみことばでした」と久米さんは語った。「イエス様が大丈夫、大丈夫と言ってくれました。『イエスがそばにいる』という確信が私に決断をさせてくれたのです」。久米さんはそう話し、最後の一曲「イエスがそばにいる」を披露した。
「主の愛のことばになぐさめとやさしさと、すべてを包み込んで溶かしてしまう力がある、心をくもらせている心配や悲しみも、何もかも打ち明けて主の前に進み出よう、長い夜が続いて星さえ見えなくて、祈ることばが途切れても、あなたはそばにいるの、ひとみを閉じてみよう、ことばにならなくても、誰でもひとりじゃない、そう、イエスがそばにいる」「どこかで迷うとしても、あなたは守ってくれる、誰でも一人じゃない、そう、イエスがそばにいる、そう、イエスがそばにいる・・・」。久米さんは歌詞に自身の姿を重ね合わせ、「イエスがそばにいる」喜びと感謝を笑顔で歌い上げた。