「J2010−10プロジェクト」――これは日本の総人口の0.4%というクリスチャンの比率を2010年までに10%まで成長させようという壮大なプロジェクトだ。この明確なビジョンを掲げ、毎年、日本宣教を志す宣教師の育成・派遣を行うのが、韓国の日本福音宣教会(全洪鎮理事長、以下JEM)。現在、12月に開催する冬期短期宣教プロジェクトに向けて、同会スタッフが今年の開催地である三重県内で受け入れ先の教会を探している。
JEMは、毎年夏と冬の2度、日本宣教のビジョンを持った牧師や伝道師、一般信徒のための短期宣教旅行を日本各地で行っている。今夏は高松クリスチャンチャーチ(恩庄明彦牧師、香川県高松市)と長崎バプテスト教会(友納靖史牧師、長崎県長崎市)を訪問。訪問先の教会に合わせたプログラムを計画し、日本の教会の働きを学びつつ奉仕、伝道活動を実習する。
JEMは、日本宣教を志す韓国の献身者が1991年に創設した新しい宣教団体だ。理事長の全洪鎮牧師は大韓イエス教長老教会高神総会総務、高神神学大総長を務める。第二次大戦終戦まで大阪市内に住んでいた全牧師は、終戦後帰国。その後、日本の福音化のビジョンを与えられた。現在は日韓教会の宣教協力の道を探り、日本福音同盟(東京・千代田)などと協議を重ねている。現在、JEMは、韓国世界宣教協議会(KWMA、朴ジョンソン代表) や在日韓国基督教宣教協議会(KMF、洪其杓会長)など主要組織に加盟している。
JEMは毎年春と秋、宣教師候補者の育成訓練を韓国で、修了生の現地研修を日本で実施。訓練では日本史や日本のキリスト教史、日本文化を学ぶ。JEMが毎年大阪で開催する訓練会は、1995年の開始以来340人もの日本宣教師を輩出するという実績を持つ。今年は、このプログラムで学んだ信徒7人をJEMの宣教師として日本へ派遣した。
韓国では、日本人留学生の伝道を盛んに行い、ソウル市の主要大学5校(延世大学、高麗大学、梨花女子大学、韓国外国語大学、西江大学)の学生を中心とした定期交流会を主催している。毎週木曜日はJEMの礼拝堂で礼拝をもっている。礼拝では日本人教会カベナントチャペル(ソウル市龍山区)の三輪修男牧師による日本語メッセージを聞く。また平野耕一牧師(東京ホライズンチャペル)、アーサーホランド牧師らがゲストとして参加するなど、日本の牧会者からも賛同と協力を得ている。
「みんな本当に日本を愛しています。韓国のスタッフ一人ひとりがいつも日本のために涙を流して祈っています」と韓国スタッフの石橋真理恵さん。現在の重要な祈祷課題は、今冬の短期宣教地、三重で、受け入れ先の教会が1日も早く見つかることだ。「短期宣教を通して、日本を体験して日本への関心を深め、とりなし者が増えればと願っています。『2010年までに日本の福音化10%』を達成したあかつきには、そこから世界宣教へと進んでいければと思います」。
2005年の冬期短期宣教は12月の20-26日、開催地は三重を予定している。JEMの短期宣教などに関する詳しい問い合わせは([email protected]/82-19-490-0787)まで。