キリスト教の博愛精神にもとづき、犯罪防止および刑事裁判の改善のために奉仕する国連NGO(非政府組織)、Prison Fellowship International(PFI)のアジア地域代表パトリック・チョン氏と同フィリピン代表レイナルド・S・タニアジュラ氏が、日本の視察とPFIの活動紹介のため、PFIの日本組織であるPFIジャパン(PFIJ)を今月21日から訪問している。クリスチャントゥデイでは、今回2人にPIFの活動について話を聞いた。
パトリック氏はPFIの活動について、これまで囚人に対するトレーニングや受刑後のケアをはじめ、加害者・被害者の家族に対するケア、また刑務所職員に対するトレーニングなどをしてきたことを声明しながら、「Restorative Justice」として、受刑者や刑務所職員に対する訓練しながら、また、死刑制度廃止をはじめとする法改定を政府に働きかけるなどをして受刑者が社会に復帰できる体制を作り、再犯防止にも努めているとことを話した。
また、アジアでの働きとして、刑務所のほかに貧困な地域に対する食糧援助や生活援助等も行っていることを説明し、特にアジアでは両親が刑務所に服役するとその子供も収監されなければならない国が多いことから、そのような子供たちを引き取り、教育、食事などの生活援助を実施していると話した。
これまでの活動の成果として、刑務所環境改善に関心の少ない政府にかわって刑務所内での美化や医師・歯科医の派遣、不足品の提供、受刑者に対する教育は刑務所環境の改善に効果があったという。囚人の多くは愛を受けた経験が少ないと語り、刑務所内で神様の愛とイエスキリストの教えを伝えることで愛を経験できる場を提供し、それがその人の変化につながっていき、また家庭内での和解にも役立つと語った。そして実際に牢屋の中でクリスチャンとなり、聖職者として働いている人や、PFIの働きに参加する人も多いという。
日本では昨年の8月から活動が始められたばかりだが、今年9月にアジア各国から代表が集まり、それぞれの国での活動報告および情報交換の場がもたれるなど、今後各国との結びつきを深めながら、犯罪被害者及びその家族の支援に取り組んでいきたいという。
今回初来日となるレイナルド氏は日本のPFJの訪問についてとても印象的であると語りながら、「新しく事務所も開設し、事業展開もしているので今後発展の可能性が大いにあるのではないか」と話した。そして、「日本の活動の状況を知り、今後他の国との関係をどのように築いていけるか、どのように貢献していけるかを考えていきたい」と語った。
日本では刑務所に行くことが一般的ではなく(訪問は)難しいが、こうした社会福祉活動を通してその結びつきになればとも語り、最後に「PFIのあるアジア諸国に対して日本ができることが多くあるはずで、特に日本の経済力は世界でも有数であり、日本のクリスチャンの団体も一緒になって協力していってほしい」と語った。
また、パトリック氏は「個々人の方法によってではなく、聖書に基づいた霊的なガイドラインに沿って指導者を教育していくことで、日本は世界的なリーダーシップを取れる国になれる」と話し、PFIJは活動を始めて間もないため、日本のキリスト教界から多くの人たちに援助してほしいと話した。また、「犯罪はそのコミュニティーで起きたものだから、社会も一緒になって解決に取り組んでいきたい」とその抱負を話した。
両氏は26日まで日本に滞在する予定。PFIジャパンの活動については公式ホームページ(http://www.pfijapan.jp/outline/index.html)または、事務局([email protected])まで。
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