日本宣教音楽学校(佐佐木ジョシュア学長、東京・台東区、以下JMMS)が2005年度からJTJ宣教神学校(岸義紘学長、東京・台東区、以下JTJ)と全面的に提携し、JMMS受講生はJTJの全授業を無料で履修可能とする方針であることが21日、分かった。
JMMS生は同校の学費だけでJTJの単位も取得し、JTJ生と同等の終了証を取得出来るようになる。
JMMSの佐佐木学長が同日明かした。同学長によると、JMMSは、これまで午後のみ開講していた実技中心の授業を午前にシフト、午後には新たに基礎的技術を重点に指導する講義を追加した。音楽のカリキュラムを充実させ、さらに水準の高い卒業生を排出することが狙いだ。また、キリスト教以外の音楽業界で活躍する著名なアーティストを多数講師に招く方針で、顔ぶれはほぼ決定だが、詳細は後日発表とした。
「日本の音楽界をリードするほどの実力をもった人材がクリスチャンにも必ずいる。実力あるクリスチャンアーティストを世に送り出したい」と佐佐木学長は野望を明かす。未信者は水準の高い世俗の音楽で耳が肥えている。JMMSには、彼らを引きつける質の高い音楽を教会に提供していく使命があるという。これまで同校は、教会での音楽奉仕者や音楽伝道者の養成に重点を置いてきた。だが、学長は「(教会の)音楽のニーズは変容してきている」と指摘する。日本にリバイバルが起これば、伝道や集会での音楽のニーズは多様になる。「クリスチャン音楽だから、この程度でも」という状況を打破しなくてはいけない、と同学長は強調した。
佐佐木学長は「クリスチャン音楽業界の中に市場の論理、競争を招き入れたい」と語る。「人を蹴落とす生存競争ではない」と説明した上で、「自分で設定した水準を超えるための自分との戦い」は進んでするべきという。「信仰に篤く、素質ある人材がほしい。」 セキュラー(世俗)のアーティストたちと対等に戦えるアーティストを育てたいのだという。
佐佐木学長は「『ミニストリー』は日本語で『奉仕』というが、『ボランティア』ではない」と述べた。人々の失われゆく魂を救う働きである「ミニストリー」の果たす責任は、人が自分ひとり食いつないでいくための「一般ビジネス」のそれより遥かに重大だ。同学長は、人生をすべて注いでフルタイムで働ける(経済的、精神的)環境を作っていくべきでは、と語った。