【ワシントンD.C】米ブッシュ大統領は11日、3人の突出した中国人キリスト教活動家と会見し、今後行われる中国人宗教指導者らと宗教解放問題について議論することを約束した。
余傑、李柏光、王怡氏の3名の中国で有名なキリスト教活動家が中国から米首都ホワイトハウスまで米大統領と中国における深刻な表現の自由、宗教の自由の圧迫、法規制について議論するために訪れた。これら3名の宗教解放活動家は中国政府の宗教統制に関して強い批判を行っていることで有名である。
元北京大学憲法学博士で数年間人権活動家として働いてきた李氏は中国における宗教解放の必要性を今月始めに最初に提言した。
李氏は2日行われた中国解放サミットにおいて、「中国の道徳観は適切な宗教的礼拝なしには改善することはできません。私たちは今経済的な躍進を遂げていますが、宗教の自由がないために道徳観は急速に廃れていっています」と述べた。
そのほかにも西欧諸国から集まった宗教指導者らも同様に宗教解放をすべてのその他の人権問題の基盤となる第一に解放しなければならない問題であると主張した。
昨年11月に開かれた二大政党による人権問題協議会において、米フリーダムハウス宗教解放センター理事長の二ナ・シー氏は、「宗教解放はすべての人権問題に優先して行われるべきものです。そして宗教解放の核心は敬意を払うことにあります。ですから、まずは人権の回復が最優先事項です。宗教解放問題に人生を捧げている人というのはまたとても寛容な精神も持ち合わせています」と述べた。
現在では中国共産党はキリスト教徒の礼拝は中国政府によって登録されている教会でのみ許されており、未登録の教会で礼拝することは違法とされている。このような未登録の教会の教会員は地下教会でひそかに礼拝しているが、発見されれば罰金を申し受けたり、逮捕、拘束されている。
シー氏によると、「礼拝にはそれ以上の意味があります。宗教は個々人が集会を開くきっかけをつくる重要な機会を与えます」と述べた。
ブッシュ大統領は過去にも昨年11月に北京を訪問した際、また4月に中国胡 錦濤国家主席との会見の際に中国における宗教解放問題を取り上げたことがある。しかしながらブッシュ氏はそれぞれの会議において人権濫用や宗教迫害問題について十分に焦点を当てられなかったことで批判を受けている。
ロイター通信によると、11日にブッシュ氏と会見した中国人活動家らは中国憲法を宗教解放を行うために活用し、政治犯が洗礼を受け、刑務所で礼拝できることを願っていると述べたという。また彼らはさらにヤフー社による情報が中国のインターネットライターらを拘束するのに利用されている問題も懸念されることをブッシュ氏に告げたという。
会見終了前に、中国キリスト教活動家らはブッシュ大統領、副大統領のディック・チェニー氏、コンドリーザ・ライス国務長官と共に神に祈りを捧げたという。