【ワシントンD.C.】米クリスチャンポストによると、2日著名中国人権活動家らが米首都ワシントンD.C.にて開催された中国開放サミットにおいて、中国共産政権下の規制によって、現在中国では宗教開放、表現の自由の甚だしい制限について議論する場がほとんど提供されていないことを訴えた。
中国開放サミット2006は米ハドソン研究所、中国法および宗教研究所によって主催され、牧師、クリスチャンライター、学者、弁護士および中国の現状を証しする人権活動家らが招かれ中国における人権状況を改善するための施策について議論を行った。
北京で人権問題の研究を行っている李バイガン博士は、
「私は長年中国人権問題について活動してきたが、このことに関して話すつもりはありません。そのかわりにどのように神様が私をキリスト教徒として選んでくださったかを話そうと思います」と述べた。
元大学教授でフリーライター、中国農民の人権問題専門家で地元に根ざした学者である李博士はなぜ中国人権問題改善に宗教開放が重要なのかについて、
「中国農民の勤労意欲は適切な宗教的礼拝なしには改善できません。経済が発展しているにもかかわらず、宗教的自由が認められていないということが一要因となって中国農民の勤労意欲は急速に減衰しているのです」と述べた。
中国援助教会(CAA)会長のボブ・フー氏は李氏に同意し、中国では宗教の自由が著しく制限されており、どれだけ「極秘文書」によって中国の宗教的信条を厳しく制限しているかを説明した。
フー氏は、そのような極秘文書としてカルトをて意義付ける文書について説明した。この文書によって政府によるさらなる宗教濫用を促進することになるという。
この文書ではカルトについて三つの定義づけを行っている。一つ目は「神は奇跡の実行者である」という定義。この定義によると、キリスト教プロテスタント、とりわけカリスマ派はカルトと呼ばれることになる。二つ目は「カルトはマフィア組織と同様極秘組織のようなものである」、三つ目は「カルトは反文化、反社会的な邪悪な教えの数々のことである」という定義であるという。この文書でのカルトの定義づけの脆弱性ゆえに中国では今日あるような宗教の自由の著しい制限が生じているという。
CAA会長は「中国では宗教の自由が著しく制限されており、宗教的信仰を明言する自由はまったくありません」と結論付けた。
このサミットの主催者らは中国から中国の人権問題の現状を発表してもらうために、7人の講演者を招待し、7人ともサミットで講演することを受諾したが、そのうちの3名は「中国政府の直接介入により」講演に来ることを阻害されたという。
この3名の講演予定者に対しては、中国政府によるいやがらせや、中国政府の陰謀による公聴会への出席の要求などが行われたという。
しかしながら講演者のうちの1人は中国におけるキリスト共同体についてのよい知らせを報告した。ウェストミンスター神学校校長のピーター・リルバック博士は中国はキリスト教を学問の一分野として受け入れようとし始めていることを挙げ、
「私たちは北京の多くの大学で熱心に活動しています。というのも、私たちはただ単に『もし博識を手に入れたいなら、キリスト教を大学における専門分野のひとつとして教授する必要があります。そうするとこのような学問分野を教授する専門家が存在するべきではないのでしょうか?』ということを訴えたいからです」と述べた。
リルバック博士はこれから中国の大学で教会史、神学、倫理学の専門分野を設けなければならないことを主張し、
「この無神論国家において大学の神学研究の充実のために研究者の相互交換を認可し始めている風潮にありますが、これは本当に驚くべきことです。宗教開放は福音宣教、政策手段の一つとして認識されるのではなく人が人であるということの根本的表現方法として認識されるべきであり、このために私たちは宗教解放により熱心に取り組まなければなりません」と述べた。
この丸一日かけて行われた中国開放サミットは、米フリーダムハウス、倫理公共政策センター、Becket Fund、米国福音協会(NAE)、宗教公共政策研究所が後援となって行われた。