【イングランド、カンタベリー(AP通信)】「ダビンチコード」のような物語に大衆が注目する最中、カンタベリー大主教はこのような偽りの話によって福音の真実が弱められるべきではないと断言した。
世界アングリカンコミュニオンの精神的指導者ローワン・ウィリアムズ大主教はイースター説教中に宗教に関する理論を用いた陰謀が拡散していることに言及した。
ウィリアムズ博士はとりわけ、ダンブラウン氏によって書かれた架空のスリル小説でイエスとマグダラのマリアが結婚して一子を儲けたとする理論に基盤を置く「ダビンチコード」について注意を払って言及した。この小説は2003年に出版されて依頼4千万部以上も販売されており、もはやクリスチャンが看過することが出来ない状況になっている。
ウィリアムズ博士はカンタベリー大聖堂で16日イースターに、
「この偉大なるキリスト教祭日の核心となる真実が、歴史的信仰の拠り所に関する議論を取り扱う新聞記事やテレビ番組によって揺るがされようとしています。『ダビンチコード』や最近再発見された『ユダの福音書』に対する過剰取材が生じており、そのことがこのような偽りの理論による陰謀をさらけ出すのを助長しています。私たちはすぐに陰謀や隠ぺい工作による提案に魅了されます。今日私たちの想像では聖書に書いてあることが真実であると考えるのがどんどん難しくなっており、このような古代文書が発見されると安易にそちらの方向へ流されやすくなってしまいます。公式文書のように見える全ての文書は必然的に疑いがかけられます。」
と述べ、ダンブラウン氏のような理論も魅力的であることはあるが、それらの書物は新約聖書記者が実際に何を言いたかったかを理解するのを助けるものではないと述べた。
またウィリアムズ大主教は聖書は司祭や説教者の個人的目的のために編纂され権威を得た書物ではなく、純粋に神の召しによって人間の言葉として書かれたものであり、今も昔もかわらず、人間の生に直面する言葉が述べられていることを強調した。