【バチカン(AP通信)】ローマ法王ベネディクト16世とエジプト大統領ホスニ・ムバラク氏がバチカンにおいて月曜日、イラン、イラクについて、そして中東の持続可能な平和構築について話し合った。
ムバラク大統領はハマス率いるパレスチナ政府、イランの核開発プログラムについて話し合う欧州訪問を行っており、その最後にバチカンを訪れた。
バチカン広報官ジョーキン・ナバロボール氏によると、ベネディクト16世とムバラク大統領は誠心誠意の30分に亘る会議を行ったという。
ナバロボール氏は声明文で、「今回の会議は中東における持続可能な平和を構築するための問題点を双方で対話する重要な機会を与えてくれました。イラクにおける状況について深い意見交換を行うことができ、さらにイランに関する諸問題を検討することができました」と、詳細は省略して端的に述べたという。
エジプト準公式中東報道機関によると、ベネディクト法王とムバラク大統領は宗教間の相違や最近の中東地域発展状況について話し合ったという。
バチカン広報官によると、ローマ法王、ムバラク大統領の双方が、バチカン−カイロ間の良い関係作りを指摘し、エジプトにおける異宗教間の関係性を再考したという。
今年初めに、エジプト南部において、コプト人キリスト教徒がコプト人、イスラム教徒間の衝突による負傷で死亡したという。この衝突はイスラム教徒が、キリスト教徒が所有するゲストハウスにおいて祭壇と十字架を設置したことに抗議して発生したものである。
エジプトでは、教会を建設するには政府による認可が必要であるという。
昨年秋に、エジプトアレクサンドリアにおいて、キリスト教教会を標的に、過激派イスラム教暴徒による襲撃が生じた。
エジプトにおいては、コプト人キリスト教徒は少数派で、イスラム教徒が圧倒的多数を占めている。
ムバラク大統領は先週ローマにおいてイタリア首相シルビオ・ベルルスコーニ氏と会見した。ムバラク大統領は今回の欧州訪問において、イラン核問題においてどんな武力行使にも反対すると述べ、さらに対話がその代替となる唯一の選択肢となるべきだと述べた。
ムバラク大統領はまた先週ドイツも訪問し、アンジェラ・メルケル首相とも会談した。これらの会談を通して、ムバラク大統領はパレスチナのイスラム原理組織ハマスを民主的に選ばれた政府と見なして国際社会がハマスとともに活動するべきだと述べた。しかし、ムバラク大統領はハマスに対してパレスチナ前指導者とイスラエルなどと調停した協定を厳守する義務があることも指摘したという。