アメリカ人は一般的に家族に献身的である。最近の調査によると、半数以上の米国人の最優先事項は家族生活であるという。しかし、信仰に関しては信仰が生活上の最優先事項であるとする米国人は4分の1にも満たないことがわかった。
2006年1月に1,003人の18歳以上の米国人に対して行われたバルナグループ調査によると、成人米国人の51%は家族生活が最優先事項であるとし、信仰が生活の最優先事項で家族生活はその次であると見なしている米国人はわずか16%であったという。多様な調査を行った結果、福音主義者は非福音主義で信仰を大人になってから宣言したクリスチャンの2倍、普通の生まれつきの米国キリスト教徒の4倍もの人が信仰を生活の最優先事項に置いていることが明らかになった。
しかしながら、さらなる研究結果によると、信仰を生活の最優先事項とした人々は彼ら自身を非常に霊性が高いと見なしていることもわかったという。調査結果によると、59%の成人米国人が彼ら自身を「神に全人生を捧げた者」と見なしているにもかかわらず、25%の人しか、信仰を生活の最優先事項に挙げていないことがわかった。そして4人に1人が信仰を最優先事項に挙げて、彼ら自身を深く霊的であると見なしていることがわかった。
バルナグループ創設者のジョージ・バルナ氏は、「霊性は今日の私たちの社会で流行語のようなものです。私たちが信仰団体の一部に属しており、霊的な献身をしていると宣言することは今はやりのことです。しかし実際のところ、米国人が『霊的である』と宣言するとき、それはいったい何を意味しているのでしょうか?」と疑問を投げかけた。
より具体的には、40歳以上の人々は、信仰を人生の最優先事項とする人の割合が40歳以下の人の2倍に至ったという。そしてプロテスタント教徒はカトリック教徒の3倍、プロテスタントで主流宗派ではない教会に属している人のほうが主流宗派に属している人よりも多く信仰を人生の最優先事項にしている。また保守派であると名乗っている人々の方がリベラルな思想を持つ人々よりも9倍信仰を最優先にする人の割合が多いことも明らかになった。
さらに3月の調査では成人米国人の15%しか信仰を人生の最優先事項に挙げていないことがわかったが、米国人牧師に限ると、70%の牧師が彼らの受け持つ教会において教会員がすべての人生の他の懸念事項を差し置いて神に対する信仰を最優先事項にしていると信じているという。
バルナ氏は、今回の米国人の信仰と生活に関する一連の調査を振り返って、「神が私たちの中に存在しているのと、神のために生きるのはわけが違います。多くの米国人は現在二重の生活を送っています。一方では神と信仰によい感情を示し、いくつかの単純な宗教活動に加わりますが、もう一方では彼らは自分自身によって支配されており、主の働きからはなれてしまっているところもあります」と述べた。
多くのアメリカ人は彼ら自身を霊的であり信仰によって動機付けられていると見なしているが、それにもかかわらず、信仰を実践に移していないままであるということも明らかになった。
バルナ氏は、「数百万人ものアメリカ人が彼ら自身が信仰と生活スタイルの間に適切なバランスをとっていると思い込んでいることが明らかになりました」と今回の調査結果を結論付けたという。