2004年に締結された北朝鮮人権法案は北朝鮮における人権進展のための画期的な出来事であったが、米議員は今だ北朝鮮の人権問題になんら変化がないことから深い懸念を示しているという。
コンドリーザ・ライス米国務長官によって火曜日に発表された書簡によると、米国議員は「我々は北朝鮮人権議定書において示されたどの主要な改善条項も一向に改善していないことについて深い懸念の意を示す」と報告したという。
北朝鮮自由連合によると、この書簡は2005年10月の公聴会において北朝鮮亡命者による緊迫感のある証言によって切迫した状況で書かれたものであるという。
ソウルのキリスト教宣教団体"Helping Hands Korea"の人権活動家、ティム・ピーター氏は亡命者の証言のコピーを配布した。この証言は北朝鮮亡命者の3名の女性によるもので、避難施設を探す亡命者、避難施設提供を拒否された亡命者が中国、ヴェトナム、タイの米国大使館に援助を求めているという、今なお改善されていない亡命者の現状について述べられていたという。
またこの書簡で米国国務省は、北朝鮮亡命者の危機対策において、まず北朝鮮難民に対する避難収容所政策を確立し、中国政府による北朝鮮への亡命者の強制送還や韓国人キリスト教徒、牧師がしばしば含まれる人権活動家の投獄行為を止めさせる先導的役割を果たそうとする意志を表明している。
2004年北朝鮮人権法案は人権を向上させ、抑圧的な政権下で民主主義を回復するプログラムが含まれていた。その具体例としては北朝鮮政府に支配されない自由な情報アクセス確立のための資金も割り当てられていた。しかしながら昨年の公聴会では、米海外向けラジオ局"Voice of America"および”Free Asia"によって北朝鮮国民に対し米ラジオ放送を届けるのが未だ困難であり状況は変わっていないこと、またラジオ局ネットワークを拡大すること、また運営自体への資金が不足していることを明らかにしたという。
また2004年北朝鮮人権法案では亡命者のための人道活動費用、孤児、人身売買犠牲者、さらに中国における難民収容施設の保護のための資金増加が盛り込まれていたが、このような保護対策は未だ北朝鮮亡命者に行き渡っていないことが北朝鮮亡命を試みて人身売買の犠牲者かつ目撃者となったMa Soon-Heeさん,Cha Kyeong-Sookさん, Kim Seung-Minさんら3人の女性の証言によって明らかになった。
米国会議員による書簡では、「北朝鮮国内における絶えることのない飢餓、悲惨な人権状況からして、我々はできる限り早くこのような冬季に、北朝鮮から亡命した人、及び亡命中の人に対して、北朝鮮人権法案を改正して早急に資金を援助することで、支援することを要求します。」と書かれていた。
人権活動家、キリスト教指導者、さらに北朝鮮の抑圧政権下で苦しんでいる多くの人々に関心のある人たちが、4月22日から30日までワシントンD.C.で北朝鮮人民の自由と人権を支援するための集会を開く予定である。
また4月28日北朝鮮自由の日と同時期に設定されている北朝鮮自由週間では、北朝鮮の人権向上に向けた多くのイベントが催される予定であるという。