英トニー・ブレア首相は元相談役の一人から、宗教法人学校が入学生徒を選出するとき宗教的な理由で差別することは許されないことであると警告を受けていた。
英首相トニー・ブレア氏はこの警告を受けて新教育法案の導入に固執しているが、宗教法人学校問題は現在もっとも議論の渦中にある。
英首相官邸政治戦略担当補佐官サリー・モーガン氏は単一宗教を信仰する学校における入学審査法について懸念の意を示している。
とりわけモーガン氏は他の宗教団体に対する寛容性がそのような宗教法人学校においては良く教えられていないのではないかと心配しているという(英ガーディアン紙)。
モーガン氏の発言はロンドン東部における白人と移民団体の関係を調査した報告書が英シンクタンクよって発表されたのを受けたものであった。この調査では教会付属学校によってある地域においては社会的な分裂が生じていると警告していた。
この報告書によると、ロンドン東部においてはローマカトリック系の学校が「白人の要塞」と化しており、多くの両親が正当な学校へ進学させる目的で子供にカトリックの洗礼を受けさせているという。
先週トニー・ブレア首相は、未だ多くの宗教法人学校で行われている、入学見込み生徒の両親に対する面接調査を禁止することについて交渉した。
モーガン氏は、宗教法人学校は保護者の中で明らかに人気があり、その利点も認めている。しかしモーガン氏は保護者面接を取りやめるだけではなく、貧しい家庭に育った子供も宗教法人学校に入学することができるようにするべきであると促した。
モーガン氏は多様な信仰をもつさまざまな子供が入学することができる多宗教を包含する学校をより多く創設すべきだと提案している。
英国国教会、ローマカトリック教会は、英富豪博愛主義者ピーターランペル氏から宗教法人学校は受け入れ生徒選抜の際に社会的バックグラウンドや個人の信仰によって差別してはならないと警告を受けた後、教会経営学校の受け入れ生徒の中における社会的貧困層は全国学校平均と同じレベルにあることを示して反論した。
英国国教会は付属学校の生徒の中で無料学校給食を受けられる生徒の割合を公開した。この割合は学校内の社会的混合度を示すものとして使われているが、この割合は英国平均とさほど変わらないという。
さらに英国国教会は特別教育が必要な学習者に関しても、他の公立学校とその割合はさほど変わらないことを明らかにした。
英国国教会CEOのキャノン・ホール氏は、「私たちの学校はその置かれている社会共同体に貢献しなければならないものであり、そのために私たちは故意的に経済社会的貧困層へと学校の受け入れ口を広めようとしています」と述べた。
キャノン・ホール氏によると英シンクタンクによる調査発表以来、英国国教会付属学校の三分の二を貧困層居住地域に創設しており、「英国国教会は貧困層に私たちの理念を提供することに強く貢献しようと考えています。そして実際にそのような活動を既に行っております。私たちの学校はキリスト教学校としてキリスト教的教育を模索しているすべての人に門戸を開いています」と述べたという。
トニーブレア首相の新教育法案は多くの妥協案が模索されている中、英政治家たちの中で議論が継続されているという。