福音主義者とキリスト教団体が31日夜、英政府による人種及び宗教対策法案が下院で却下されたことを祝った。
トニー・ブレア首相は31日夜、新法案制定却下を阻止するに十分な票を得る事ができず、大きな敗北に直面するに至った。
英内務省チャールズ・クラーク氏は政府の敗北を認めながらも修正法案が法令に追加されることになるだろうと述べた。クラーク氏は2月1日に、「政府は国会による決議を今夜受け入れる予定です。私たちは宗教的脅威に対する扇動を取り締まる法案が修正法案としてでも発行される見込みであることにうれしく思っています」と述べたという。
宗教的脅威対策法案は当初の法案の内容を緩和した修正案の形で発行される見込みである。修正法案においては脅迫的な振る舞いのみが不法と認められ、当初不法と見なされた悪口、及び無礼な行為に関しては免除されることになったという。
また修正法案では個人は宗教団体がその個人の嫌悪を煽り立てるような行動をとった場合にのみ起訴できるように修正されている。この下院による決定で元の宗教的脅威対策法案に抗議していた福音主義者たちは喜びの声をあげた。ロンドンのキリスト教徒バーバラ・エレーレ氏(36)は「勝利は確かにわれらのうちにある。数人が集まるところに主は共におられるのだ」と喜びを語った。
福音同盟とアフリカカリブ海福音同盟(ACEA)は英政府の策定した元の宗教的脅威対策法案が通過すれば社会に大きな負の影響が加わるだろうと警告していた。この警告に対し、1月24日英上院では法案を修正する道を模索していると発表した。
昨年10月25日に、福音同盟とキリスト教人道支援団体CAREは上院で英政府による元の人種及び宗教的脅威対策法案が却下されたことを喜んだ。
元の宗教的脅威対策法案に対する反対者は広範囲に及んでおり、福音同盟、キリスト教団体から英コメディアンロワン・アキンソン氏、さらには多数の世俗団体など実にさまざまで、すべての法案反対者たちはこの法案は信仰、信条に対する批判を表現することに大きく規制をかけることになると非難していた。
この法案を上院によって修正するという発表の後も福音同盟は、議員たちはこの規制に対してただ単に目立った点を修正したに過ぎないが、上院におけるこの法案に対する強い反対の姿勢によって英国は言論の自由の保障された国であるということの重要性を折りよく思い起こさせてくれた、と修正法案に関する感想を述べたという。