世界食糧計画(WFP)は国際団体に対し13日、アフリカで干ばつによる飢えに苦しむ540万人の難民を救済するための食糧支援の緊急要請を行った。
WFPは干ばつが発生した地域における「人的要因による惨事」を避けるために5万9000トンのさらなる食糧支援が必要であると訴えた。国連機関によると、干ばつのためにケニヤで250万人、ソマリアでは140万人、エチオピアでは150万人、ジブチでは6万人が被害を被ったという(ロイター通信)。
WFPアフリカ中東地域理事長のホルドブロック・アーサー氏によると、このことによる人的惨事を避けるためには今すぐ支援をする必要があるという。女性と幼い子供は車道に出て運転手に飲み水を乞うことを強いられている。そのなかには飲み水を探すために120kmも彷徨い歩いている人たちもいるという。
WFPは6月末までにソマリアで100万人に食糧支援の手を差し伸べる予定であるが、その一方で援助団体「CARE」はさらに40万人に食糧支援を行うと発表した。
しかしながら、WFPによると、WFPの食料貯蓄はもう底を突く寸前で、4600万ドル相当の5万9000トンの食料の追加が必要になると13日発表した。
WFPはケニヤ北部、ジブチにおける海賊行為のために、食料の陸上輸送を強いられている。陸上輸送は海上輸送に比べコストが高くつき、輸送時間も長くなる。このことでWFPが干ばつ被害地域に食料と飲料水を運搬するのを大いに妨害されているという。
国連機関は南ソマリアの今年の収穫高は干ばつのためこの10年間で最低になる見込みで、さらにケニアの状況は来月さらに悪化するだろうと述べた。そして他の国際団体からの支援なしには、2月以降食糧支援はできなくなると訴えた。