中国情勢を中心に報道する国際的なメディアによると、中国の趙紫陽前総理の側近で現・米プリンストン大の教授(社会学博士)が、中国共産党の迫害はナチスよりも深刻だと証言していることがわかった。
現在、現代中国研究の責任者であるこの程暁農教授は、中国本土で著名な人権擁護弁護士、高智晟氏による3度目の公開書簡を読み、中国政府を強く批判した。
この書簡の中で高氏は、自身が中国共産党から離党したと述べ、公に行われてきた世界を震撼させるほどの拷問の実態を明かした。同氏は、これほどの拷問は近代の中国史上類を見ないとしている。
「彼らの目的は人間的な侮辱を与えることではなく、活動家の身体と精神を破壊すること。精神崩壊させることにも躊躇しない。これほどの拷問を女性が受ければ、品位や恥じらいのない人でも生き続けることをためらうだろう。そして、これはまさに悪行を行う者と中国共産党の狙っていることだ。」(程教授)
程氏は、この書簡で明らかにされた性的虐待に衝撃を受け、憤慨した。
中国から亡命し米国に移住した宗教者が運営する新聞「大紀元」によると、拷問を行う人々は文化革命後に生まれた30歳前後の世代で、「当時の迫害者のような邪悪で卑劣」(程氏)であるという。
程氏は「(中国で)現在の体制がこのような集団を生み続ければ、この社会はどれだけ汚染されていくのか」と頭を抱える。
同氏は、拷問行為は明らかに中国の法律や国際人権法の違反であるとした上で、「これらの集団は中国政府の保護下にあり、迫害は続くだろう」との認識を示した。また、犯罪行為を黙認している同国政府は責任を取るべきだと指摘した。
人権監視団体、「中国援助協会」(本部・米国、以下CAA)によると、高氏は最近弁護士資格を剥奪され、同氏の法律事務所(北京)は当局から1年間の業務停止命令を受けた。同氏が胡錦涛国家主席と温家宝首相に対し、宗教団体「法輪功」に対する迫害の停止を求める今回の書簡を発行したことと関連があるとされている。
高氏の事務所は人権問題を扱い、人権団体「アムネスティ・インターナショナル」とも関連のある、中国でも数少ない法律事務所の一つ。今回の措置によって中国国内における人権活動にブレーキがかかるとみられる。高氏は北京家庭教会の蔡卓化牧師を支援する主要弁護人の1人。この牧師は、政府の認可を得ないで聖書などキリスト教書籍を印刷したとして、今年11月、懲役3年および罰金の実刑判決を受けた。
信教の自由などの人権の保護を訴える同氏は、これまで身の安全を脅かす多くの危機に直面してきた。
国際社会に対し、CAAは高氏と高氏の家族の安全に関心を示すよう要請した。また、各国のキリスト教団体に対し、同氏と家族のために継続的に祈り、電子メールや電話などを使ってキリストの兄弟愛をもって同氏を励ますよう求めた。
CAAの発表(11月11日付)によると、高氏は最近キリスト教徒になる決心をし、家庭教会でまもなく洗礼を受ける予定であるという。