インドネシア・西ジャワ州に本拠を置くイスラム過激派組織がキリスト教教会に圧力をかけ、暴力的に閉鎖する事件が続発していることが11日までに米国の迫害監視団体の調査でわかった。米クリスチャンポスト紙が報じた。
この団体は「反背教同盟運動」(AGAP)と呼ばれ、インドネシア全域で活動する急進派イスラム組織として知られる。キリスト教教会に対して閉鎖を要求し、教派を問わず暴力的に弾圧するという。
インドネシア福音同盟傘下のジャメアト教会の関係者が米団体「国際クリスチャン・フリーダム」(本部米バージニア、以下、CFI)に語った証言によると、同運動の構成員とみられる約50人が覆面と刃物、石を詰めたリュックサックを身につけ、同教会の礼拝堂にいきなり侵入してきたという。
報告によると、過去10年間で閉鎖に追い込まれた礼拝所は約200件に上り、この1年間だけで約35件近くが閉鎖された。このため、キリスト教会連盟(PGI)は、宗教施設の設置許可の基準を定めた宗教相と内相の通達(1969年施行第1号)がキリスト教徒に差別的であるとして、ユドヨノ大統領に撤廃を要求した。
この1969年第1号通達は、宗教法人に対し、法人登録や会堂建設を含む全ての活動を宗教省に報告して認可を受けることを義務付けている。だが、キリスト教迫害監視団体によると、多くのキリスト教教会が申請を却下され、礼拝の開催や会堂建設の許可を得ることができないままでいる。
CFIは、地元の行政機関がAGAPの教会閉鎖活動を奨励しているとの情報を入手した。
別教会の会員は同団体に対し、「政府関係者に呼ばれて会合に出席したところ、政府関係者は現れず、代わりに現れた多数のAGAP構成員に取り囲まれ、教会閉鎖の誓約書に署名を要求された」と証言した。
同州パスンダン教会の理事も、政府関係者に招待されて出席した会議でAGAPに教会を閉鎖するよう脅迫されたと、政府の関与を証言している。同教会は1988年、数人の教会員によって設立された。教会堂の必要性から会堂建設を5度申請したが認可が下りず、10数年で会員数200まで成長した後、今年7月27日、閉鎖された。
報告書では、同じく閉鎖されたセント・アントニー・チャペルのイワン牧師の言葉が紹介されている。
「だれがAGAPに教会閉鎖させる権限を与えたのかが不明のままだ。警察は彼らの暴力行為を見て見ぬ振りをした。これが現在、西ジャワ州のプロテスタント教会とカトリック教会に起こっていることだ。」
CFIによる今回の報告書は、ジム・ジェイコブソン同団体代表が1か月間現地を訪問して調査したもの。
クリスチャントゥデイからのお願い
皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。
人気記事ランキング
-
鈴木結生著『ゲーテはすべてを言った』 牧師の息子が書いた芥川賞受賞作
-
ワールドミッションレポート(3月9日):タンザニア ザンジバル島のために祈ろう
-
主は生きておられる(235)昭和は遠くなっていく 平林けい子
-
バイセクシャルの黒人女優シンシア・エリボがイエス役に 配役巡り批判の声も
-
カトリック作家の曽野綾子さん死去、93歳
-
愛するとは、時間を共に過ごすこと 菅野直基
-
花嫁(21)希望よ 星野ひかり
-
日本人に寄り添う福音宣教の扉(217)弱さの極限(エンディング)に寄り添う 広田信也
-
ワールドミッションレポート(3月8日):トルコ 震災被災者の間で、聖書の書き写しを通して働く神
-
ウクライナの従軍チャプレン、兵士たちを支える自身の役割語る
-
日本は性的人身取引が「野放し」 支援団体代表者らが院内集会で報告、法規制強化を要請
-
カトリック作家の曽野綾子さん死去、93歳
-
教会で斬首されたキリスト教徒70人の遺体見つかる コンゴ東部北キブ州
-
バイセクシャルの黒人女優シンシア・エリボがイエス役に 配役巡り批判の声も
-
熱心な仏教徒の青年が救われた実話がベースに 伝道用トラクトを無償提供
-
「苦しみ」と「苦しみ」の解決(2)見える困難に「苦しみ」を覚えるメカニズム 三谷和司
-
リック・ウォレン牧師、十字架にまつわるSNS上の政治的投稿を削除し謝罪
-
鈴木結生著『ゲーテはすべてを言った』 牧師の息子が書いた芥川賞受賞作
-
レント初日の「灰の水曜日」 ドライブスルーで灰を授ける教会も
-
良い心配と悪い心配 菅野直基
-
日本は性的人身取引が「野放し」 支援団体代表者らが院内集会で報告、法規制強化を要請
-
カトリック作家の曽野綾子さん死去、93歳
-
教会で斬首されたキリスト教徒70人の遺体見つかる コンゴ東部北キブ州
-
熱心な仏教徒の青年が救われた実話がベースに 伝道用トラクトを無償提供
-
バイセクシャルの黒人女優シンシア・エリボがイエス役に 配役巡り批判の声も
-
リック・ウォレン牧師、十字架にまつわるSNS上の政治的投稿を削除し謝罪
-
「苦しみ」と「苦しみ」の解決(2)見える困難に「苦しみ」を覚えるメカニズム 三谷和司
-
鈴木結生著『ゲーテはすべてを言った』 牧師の息子が書いた芥川賞受賞作
-
良い心配と悪い心配 菅野直基
-
レント初日の「灰の水曜日」 ドライブスルーで灰を授ける教会も