インドネシア東部スラウェシ島で28日に発生した2回の爆弾テロで、スラウェシ州警察は31日(現地時間)、テロに関与した疑いでインドネシア人2人を逮捕したと発表した。AP通信が同日(同)伝えた。
病院関係者と地元の教会によると、爆発で殺害された22人のうち19人は教会に通う熱心なキリスト教徒。また1人の遺体は依然として身元不明という。死傷者80人以上を出した今回のテロは、2002年に死者202人を出したナイトクラブでの爆弾テロ後、最悪の事件となった。
AP通信によれば、同国のカラ副大統領は31日夜、国内のテレビ番組に出演し、逮捕された2容疑者について「テロの首謀者と関連組織を特定する重要な手がかり」と述べ、テロは組織的な犯行の可能性が高いと語った。副大統領は番組で、「宗教抗争を再発させるための挑発行為とも受け取れる」との見解を示している。
キリスト教界で緊張が高まる中、中央スラウェシ教会シノッド(WCC傘下)理事のリナルディ・ダマニク氏は、国内のキリスト教徒に対し冷静さを保つよう、報道機関を通じて呼びかけた。同氏は「テロリストは宗教者を混沌に陥れるために、宗教者の暴力行為を誘っている」と指摘した。爆発があった28日の夜、地域で唯一のモスクに数回の投石があり、窓ガラスが割られる被害が出た。(AP通信)
同国は、全人口の90%がイスラム教徒だ。キリスト教徒は8%だが、スラウェシ州の市街地ではキリスト教徒とイスラム教徒が同数居住している。