英国のチャールズ皇太子(56)は10日、長年の愛人であるカミラ・パーカーボールズさん(57)と4月8日に再婚すると事務所を通じて発表した。挙式は、英国国教会ロワン・ウィリアムズ大主教の司式でロンドン郊外のウィンザー城で行われる。
2人は同日夜、ロンドン西郊のウィンザー城で行われた晩餐会にそろって出席。カミラさんは「ようやく夢から現実に戻っているところです」と喜びを語り、皇太子も笑顔で、「わたしたちは非常に喜んでいる」と感想を述べた。
ウィリアムズ大主教は再婚を支持し最高の祝福をもって式に臨むとしている。ランベスのロンドン宮殿で10日夜発表された文書で大主教は「再婚が夫妻と周囲の人々の平安と自信につながるよう期待し祈る」と述べ、「(皇太子とカミラさんの)結婚は彼ら自身にとって、また王室および国教会にとって有益」とした。
離婚者の結婚に慎重な英国国教会をとりまとめる大主教は昨年6月、2人の再婚を容認したことが明らかになり、再婚の機運が一気に高まった。皇太子は国王に即位すると英国国教会の最高指導者に就任すると定められており、国教会側は聖書信仰から離れて皇太子の希望をくんだ形だ。
一方、福音主義団体は皇太子の決断に憂慮の意を表明している。改革派教会は、チャールズ皇太子の再婚が国教会の指導者としての「倫理的権威」を損なうと述べた。英クリスチャントゥデイ紙が伝えた。
欧州福音同盟(本部・ロンドン)は「神学的霊的な見方では、チャールズ皇太子とカミラさんはそれぞれ離婚暦があり、今回の再婚に至っては、皇太子を国教会の指導者として認めることは、多くの教会にとって非常に難しい問題だ」と厳しい姿勢を示した。皇太子には、故ダイアナ元妃との間に生まれた長男ウィリアム(22)、二男ヘンリー(20)の両王子がおり、カミラさんにも95年に離婚した前夫との間に一男一女がいる。
ダイアナ人気の根強い英国では皇太子の不倫に反発が強かったが、昨年の世論調査では、再婚支持32%に対して、反対29%。元妃がパリで交通事故死した97年から時間が経過し、容認する雰囲気が出ていた。英国国教会も離婚経験者の教会での挙式を禁止していた規定を見直し、再婚への道を開いていた。