NGO団体「アムネスティ・インターナショナル」(本部・英ロンドン)が今月1日に中国・湖南省の鄭州で逮捕された地下教会指導者、張栄亮(Zhang Rongliang)牧師の即時無条件解放を求める声明を発表したことが24日までに分かった。アムネスティの中国担当者は、中国内で信教の自由は著しく侵害されていると報告している。
この声明の中で、アムネスティ英・ロンドン本部のケイト・アレン氏は「張牧師は取調べ中の拷問で生命の危機に瀕している」と明かした。個人の信仰を理由に迫害し拷問することは世界のどの諸国においても人権の基本的理念に反すると批判した。
張牧師は中国のキリスト教家庭教会のネットワーク『China for Christ Church』の中心指導者で、キリスト教関連のDVD、絵、その他資料を所持し「外国人、外国機関との接触や繋がりを示す物品を所持した」として身柄を拘束されている。教会関係者によれば、警察が張牧師が住んでいた村の全世帯を対象に家宅捜索を実施し、キリスト教関連の物品をすべて没収したという。同牧師は糖尿病で、必要な医療処置や待遇を受けていないとの懸念があり、拘束中の過酷な扱いに耐えることができないとの声があがっている。
張栄亮はキリスト教信仰を理由に過去に5度投獄されており、抑留期間は合計12年に上る。取り調べ中の拷問の実態をつづった同氏の著書「中国家庭教会信仰告白」は中国の宗教の現状を伝える貴重な資料として海外諸国でメディアが取り上げており、関係者はこのことも同牧師の複数回の逮捕や拷問につながったとみている。