[国際 2日 CP] 世界最大規模の国際NGOでルーテル系教会同士の協力・連絡機関であるルーテル世界連盟(=LWF、本部スイス・ジュネーブ)の出納局長が2日、深刻な財政危機に瀕していると発表した。連盟の会員は6千6百万人を超えるとされており、効果的で即効性のある解決策が求められている。
発表はLWFが例年行う協議会本会の2日目にされたもの。発言の中でストール出納局長は「財政赤字は今後さらに拡大する」と述べ、行政管理面での効率化で事態の解決を図るべきとした。
ストール氏は3つの方法を提案した。ひとつは計画や目標の一部を削除し人員削減を図るというもの。または、人員を維持しつつ作業効率を向上させる。三つ目は、会員の誓約や会費から収入の増加を試みるというものだった。
発言後に行われた記者会見では、ストール氏に対し、教会が他の超教派団体らへの献金によって「献金疲労」の状態になっていることと関連があるかという質問があった。ストール氏は「超教派的な働きへの貢献は全体の益となると認識している教会は多く、これらの教会が貢献のバランスについて再考する必要性はあり得る」と答えた。
会費の増額については、各国の経済状況や教会の規模も十分考慮する必要があると述べ、慎重姿勢を見せた。
ストール氏は「南方の経済的に豊かでない教会の中には規定額以上を納めているところもある一方で、北方の教会には規定額を納めないところもある」と語り、北欧の教会が後者の一例であると明らかにした。
また、EU(欧州連合)など他組織からの救援金の可能性を示唆したものの、資金分配で非常に厳しい制限を置いているこれらの団体から支援を募ることについて、LWFは資金調達について「現実的な範囲で期待するべきだ」と指摘した。
投資について財務統括室の担当官が発言し、連盟は、実績があり社会的責任を果たす団体に投資をしてきたと説明した。社会的責任を果たす団体として、環境保護、保安・リサイクル活動、人権運動、男女平等、労働条件の向上、児童の健全な育成等に取り組む組織を挙げた。
ストール氏は最後に、すべては如何に優先順位を設定するかにかかっていると強調した。(ChristianPost.com)