聖路加国際病院(東京)理事長で医師の日野原重明氏(94)が5月28日、東京・新宿区にある淀橋教会(峯野龍弘牧師)主催「愛の特別伝道礼拝」に特別講師として招かれ、同教会のインマヌエル礼拝堂いっぱいに集まった700人を超える聴衆を前に、聖書からの愛のメッセージを伝えた。
新来者は、記帳にあるだけで277人。礼拝開始後に記帳せずに入場した新来者を合わせると300人は越えていたという。教会に通っていないノンクリスチャンはそのうちの約9割、240人にも上った。
淀橋教会では、この伝道礼拝のためにすでに2年前から準備を進めていた。祈祷会ごとにこの日のために祈りをささげ、毎週の礼拝のあとには、信徒らがトラクト配布に励んだ。記帳した新来者の内訳をみると、同教会の友人・知人に誘われてきた人が約4割(119人)、新聞、ちらしを見てきた人が約2割(62人)、当日、教会を通りかかって参加した人が約1割(41人)であった。
日野原氏は、父親が牧師のクリスチャンホームで生まれ育った。淀橋教会とも交流が深く、特に4代目、小原十三司牧師が喉頭ガンで入院した際、担当医師としてその最期を看取ったのが日野原氏であった。
日野原氏は現在、小学生を対象に命や平和の大切さを伝える「いのちの授業」を全国の小学校で開催している。戦争や憎しみのない平和な世界が50年後に実現されることを目指して、将来の世界をになう子どもたちに愛のメッセージを伝えている。新約聖書コリント信徒への手紙一13章1節から13節を本文に、日野原氏は聖書が教える信仰と希望と愛を、聖書になじみのない人々にもわかりやすく伝えた。
『殴られたけど、仕返しはしない。でも、もうこれからは殴るなよ。』これが聖書の教える『ゆるし』であり、この『ゆるし』には愛が必要である。本当の愛とは、自分が足りないところを補ってもらうものでも、自分が求めることに応えてもらうものでもなく、「人が求めるものをギフトとして与える愛」である。「今の子どもたちがその心を覚えるなら、将来必ず世界に平和が来る」と日野原氏は語った。
最後に、「互いに忍び合い、責めるべきことがあっても、赦し合いなさい、主があなたがたを赦してくださったように、あなたがたも同じようにしなさい」(コロサイ3:13)という聖句を引用し、自分が受けた愛を、今度はそれを何十倍にもして、本当に愛を必要としている多くの人々に惜しみなく与える人になってほしいと会衆に伝えた。
教会関係者らは、「淀橋教会単独の主催で、2階のギャラリーまでいっぱいになったことはここ数年なかったこと」「これから新来者へのフォローアップに励みたい」「今度は2000人が出席する礼拝を目指したい」などと喜びを語った。