日韓共同作品「あなたを忘れない」の特別試写会が26日、都内で行われ、一般の試写会としては初めて天皇、皇后両陛下が出席された。
この映画は、2001年1月26日午後7時、新大久保駅で韓国人留学生、李秀賢(イ・スヒョン)さん=当時(26)=がホームから線路に転落した男性を助けるために写真家の関根史郎さん=同(47)=とともに亡くなった実話をもとにして作られた。ラストシーンは、李さんが線路に飛び降りるシーンになっている。
男性と李さん、関根さんは見ず知らずの間柄だった。
映画の主人公となった李さんは最後まで電車を正面から止めようとしていたという。映画のラストシーンを鑑賞された天皇両陛下は、目頭を押さえていたという。
李さんの両親は、都内で開かれた警察官などの殉職者慰霊祭に参列した際に来日し、皇居を見学中に偶然、皇后と話す機会があったという。
イエス・キリストの十字架の死を連想させる1人の青年の死は、クリスチャンの間でも力強い証として語り継がれている。