メル・ギブソン映画「キリストの受難 (原題:The Passion of the Christ)」を上映する映画館は“臨時教会”になる。
幾度にもわたる鞭(むち)打ちと太い釘で十字架に打ち付けられるイエスを見て、観客は思わず目を背ける。人間の罪によって死んだイエスキリストの深い愛に捕らわれる。
先月25日に封切りとなったこの映画は、米国約4千の劇場で上映中だ。
新約学者エバンスはキリスト教界新聞クリスチャン・サイエンスモニターとのインタビューで、メル・ギブソン映画を「キリストに対する認識の薄れたクリスチャンたちに十字架の意味を悟らせる目覚まし時計」と比喩した。
多くの保守的クリスチャンが目の当たりにしているのは、キリストの人性だ。メル・ギブソンは、神であり人間だった“人間キリスト”が受けた苦難を紹介した。
映画を見た観客は「ただ映画を見ている以上のものを感じた」「キリストと一緒にいるような感覚に襲われた」と話している。
南部バプテスト連盟総務のランドル・ジェイムズは教団新聞とのインタビューの中で「私は当時の群衆たちと同じ好奇心の目でキリストを見ていたのかもしれない」「数千度と読んだ福音書にこれほど感情移入したのは今回は初めて」と語った。