今私は先行き不透明な状況に置かれている友人が周囲に何人か存在しています。そのうち一部の友人は職を失っています。別の友人たちの中には離婚直前の友人もいます。他にも妊娠中に癌と診断された女性の友人もいます。このような逆境に置かれたとき、私たちは自身に対し「なぜこのようなことが私の身にふりかかってきたのか?」と問うと思います。
弊社の書籍部門の出版責任者となって2カ月がたったとき、私たちは著名な作家を競合他社に奪われることになってしまいました。このことは経営のボトムラインに大きな打撃を与えました。最初この事実を知ったとき、私は怒りを隠せませんでした。怒りの感情が過ぎてから、落胆するようになりましたが、最終的に私は自身に対して誤った問いかけをしていることに気づきました。
「どうしてこのようなことが生じたのか?」と問うかわりに「今回の件が我々にとってどのように受け止められれば改善につながるだろうか?」と考えるようにしました。その後すぐに自分の精神がシフトし、また活力を取り戻すようになりました。
これまでを振り返っても著者を競合他社に奪われるということは、私の部署では前代未聞の件でした。私たちはこれまで経験したことのないことを経験することで成長してきました。このような経験から、私たちは価値ある教訓を受けてきました。価値ある教訓を受けるための答えは、私たちが自問する質問の中に隠されています。私たちが悪い自問をすれば、それに対する悪い答えしか得られません。しかしもし私たちが自身を啓発させる良い自問をすれば、良い答えを得ることができます。
もしみなさんが逆境の時、先行き不透明な時期を迎えているのだとすれば、以下の7つの質問を自分自身あるいはあなたのチーム全体に問いかけてみてください。
1.もしこれが終わりではなく新たな始まりであるとしたらどうだろう?
2.祈りの応答の過程としてもう一つの山を越えたばかりの地点にいるとしたらどうだろう?
3.私の人生の新たな章に乗り出すための準備に必要なことであるとしたらどうだろう?
4.もし神様がこの特別に困難なときに、私の必要を正確に知っておられるとしたらどうだろう?
5.もし神様が私があえて選ぶことのなかったであろう「目に見えない祝福」を通して何かを語りかけておられるとしたらどうだろう?
6. 今回の経験はどのように生かすことができるだろう?
7.私の人生のこの時期にこのような逆境に陥ったことを孫に伝えるとしたら、どのように伝えるだろう?
この様な自問がリーダーシップ養成にどのように関連しているかと思われるでしょうが、指導者は皆が逆境に陥っている最中にあって、まず自分自身を導くことができなければなりません。そのようなことは良い問いかけを自分自身に行うことによって可能になることがよくあるものです。
(本コラムは米クリスチャンポストから翻訳しています)
トーマス・ネルソンCEO マイケル・ハイアット氏
トーマス・ネルソンは世界最大のキリスト教書籍出版会社である。米国内では書籍出版貿易で第7位となっている。同氏のブログ(http://michaelhyatt.com)、指導者として必要な福音的思考法やウェブサイトによる効果的なビジネス法、出版業界に関するトレンドなどを紹介している。
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