3日から一週間にわたってキプロスのアヤナパにて開催された「教会の在り方と使命」を議題とし、信仰と秩序についての勉強を目的とした協議会が終了した。その成果の一部として「疑いなく教会論は、全教会的な視点においてキリスト教神学について論じる際に欠くことのできない課題である」との結論に至った。
同協議会はキプロス正教会が主催し、40人の東方正教会およびオリエンタル正教会教会指導者らが参加、2005年に世界教会協議会(WCC)の信仰と秩序委員会が発行したエキュメニカルテキストである「教会の在り方と使命」について共通の見解を共有した。
教会論あるいは教会の神学的な自己理解は教会の役割、在り方および使命を定義するものとして重要である。また諸教会を分裂させる問題を指摘するためにも重要な機能を果たしている。
正教会間協議会は3月2日から9日まで開催され、11ページの報告書と議論の要点を詳述した公式声明が出されるに至った。同協議会はWCCの招待のもとにそれぞれの正教会が教会の在り方と使命を議論するために開かれた。
各正教会からの参加者らは信仰と秩序委員会とオラフ・フィクセ・トゥヴェイト総幹事含むWCCスタッフらとともに何人かのグループに分かれ協議を行った。協議によって出された「信仰と秩序」報告書では教会論の多様な伝統が記述された他、それらが西欧哲学的な方法によって組織化されていったことが記述された。このアプローチによって教会論を正教会として認識するのが難しくなり、最終的に一つに集約されたテキストのレベルに至らずに終わってしまったことが記述された。
キプロスの公式声明では2005年のテキストが一つの教会としての目に見える形での一致に向けた長い旅の一つの礎となったと認識し、「信仰と秩序委員会、そしてこの全教会的なテキスト作成に困難な環境の中関わられましたすべての皆さまの努力に感謝します」と述べられた。
協議会では、既存教会で生じている教会間の分裂を克服して行くことが緊急の課題であることが強調され、4世紀の聖人聖大ワシリイの言葉が引用され「主に真心をもってお仕えしたいすべての私たちにとって共通の目標は、時代の変遷とともに分裂し、様々な形態をとっていった諸教会の一致を図ることです」と報告された。
教会論について全教会的一致を図るための調査書物を再度草稿するかたちで、提示された事柄を編集したものとして同委員会に提出される予定であるという。
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