【CJC=東京】テレビを通じた説教で得た献金を豪華な私生活に流用するなど、米国のキリスト教宣教6団体の不正財務を連邦上院経済委員会のチャールス・E・グラッスリー氏(アイオワ州選出、共和党)が、3年がかりで調査した結果を発表した。これら団体は免税宗教団体とされていることから、明確な説明を求める独立委員会の設定が必要だと結論している。立法や規制ではなく「自己規制」が望ましい、と言う。
一般の非営利団体や慈善団体が詳細な財務報告をIRS(国税庁)に提出しなければならないのに比べると、宗教団体の免税措置は、事業内容をあいまいのままでも認められるなど優遇されている。
「良質な管理と最上の実践に立ち向かうことが課題であり、それにより、宗教の自由を損なったり、非効率な活動を余儀なくされるような規制なしに、免税団体の信用を保持出来る」と言う。
今回の調査は、6宣教団体が、信者からの献金を飛行機、高級住宅、宝石購入に用いたり、指導者やその一族のために営利事業を経営したりしていることについて、福音派キリスト者の中から疑問の声が上がり、それを受けてグラスリー議員が乗り出したもの。
6団体は全て「繁栄福音」宣教を行っている。多額の献金を宣教団体にすれば、自身も繁栄する、と教えている。
6団体の中で、調査に協力、改革を表明したのは『ジョイス・マイヤー・ミニストリーズ』と『ベニー・ヒン・ミニストリーズ』の2団体に留まっている。
不満足な回答をした3団体は、ケネス・グロリア・コープランド夫妻の『ケネス・コープランド・ミニストリーズ』、ランディ・ポーラ・ホワイト夫妻の『ウイザウト・ウォールズ国際教会』、エディー・L・ロング監督の『ニュー・バース・ミニストリー・バプテスト教会』。ロング氏は、性的関係を迫られた、と青年4人から告訴されている。同氏は否認している。
クレフロ・タッフィ・ダラー夫妻の『ワールド・チェンジャーズ国際教会』からは回答がなく、理事の氏名も報酬額も不明。報道担当者にコメントを求めて接触を図ったが、実現していない。
調査を受けて、宗教団体の政策財務問題を審議する委員会が設立された。委員長には非営利団体の運営・財務・税務の専門家マイケル・バット氏が就任した。