来年創立50周年を迎える日本ケズィック・コンベンションのプレ大会「第14回プレ・ケズィック聖会」が11月30日、東京都台東区のウェスレアン・ホーリネス教団浅草橋教会で開かれ、全国各地の大会委員をはじめ、都内近郊の教会から教職や信徒ら約50人が集まった。日本福音同盟(JEA)総主事の具志堅聖氏が講演し、エレミヤ書31章34節「わたし(神)を知るようになる」(口語訳)について「新しい契約を言い表した言葉」と説き、「キリストを知ることは、キリストに知られること。キリストに知られているという恵みを受けた者が、キリストを世に知らしめることができる」と語った。
具志堅氏は、使徒言行録の中でルカが、パウロの改心について3度も証言していることに着目し、「(ルカがパウロから)何度も聞かされた証しであったと思われる」と説いた。そのうえで、パウロが自身の改心の証しを繰り返し語った理由について「それは本人にとって決して忘れることのできない出来事だったから」だと説いた。
具志堅氏は、パウロと同じくイエス・キリストを「知る」(フィリピ3・8)人が経験する変化について、3つの視点から説いた。
第1に、価値観の変化だ。パウロは、それまで他人に誇っていた生まれや善行について「それらを塵あくたと見なしています」(同)と告白している。具志堅氏は、「キリストを知ることによって、(パウロの中にあった)キリストの見方が、価値観が変わった」と説明した。また、「知る」(同)という単語について、旧約では夫婦が愛し合う関係を指して多く用いられていると説明し、「(この変化は)一過性のものではありません」と説いた。
第2に、パウロはキリストを知ることによって、キリストのうちに自分自身を見出すようになった。具志堅氏は、「キリストを得、キリストの内にいる者と認められるため」(3・8、9)の原語の中に、「キリストのうちに自分自身を見出す、との意味が込められている」と説明した。そのうえで、移ろいやすい社会や集団、他人の中にではなく、イエス・キリストのうちに自分を見出すとき、「はじめて、神とともに歩む道を歩み始める」と説いた。また、「(原語は)キリストの中に創られるとも訳される」と語り、キリストのうちに新しく創りかえられる聖化の恵みを強調した。
第3に具志堅氏は、「キリストを知るとは、キリストに知られるということ」と説き、最大の迫害者だったパウロをさえ救った神の恵みの深さを強調し、「(あなたの)すべてを知っておられる方が、救いの神として、慰めの神として、赦しの神として、勝利の神として(あなたに)触れてくださる。それがキリストを知るということ」だと語った。また、「律法による義のよろいを解き、神から与えてくださる力に生き、(神の)ご栄光のために人生を歩む。それがキリストを得る、獲得する」ことだと説いた。
最後に具志堅氏は、「キリストはすばらしいお方。救いの神、なぐさめの神、赦しの神、癒やしの神、勝利の神として私たちに触れてくださり、かたわらにいてくださり、私たちを用いてくださることを、告白して生きようではありませんか」と語り、「今日ともに『われ生くるにあらず、キリストわが内にありて生くるなり』と告白したい」と信仰の決心を迫った。