教会離れが進む英国で26日、同国内のプロテスタント教会が協力して友人や隣人を教会へ招待するキャンペーン「Back to Church Sunday(教会に戻る日曜日)」が行われた。04年に英国国教会(聖公会)のマンチェスター教区で始まったこの運動は毎年広がりを見せ、7年目を迎えた今年は同教会の全教区のほか、バプテスト派、改革派、メソジスト派、救世軍など多数のプロテスタント教会が参加。今回教会へ招待された人は全体で約40万人と見られている。
ラジオ広告による呼び掛けも行われた。この日は3回、教会へ通う人が教会に見出している意味を証しする内容の短い広告が放送された。3回の放送で、広告を聞いたリスナーの数は約130万人と推定されている。
英国国教会の最高指導者であるカンタベリー大主教、ローワン・ウィリアムズ氏はこの日、参加教会に向けて「神へ対する望みは、英国においてまだ暗いものとなってはいません。この国は神や霊的な事柄に背を向けてしまったわけではないのです」と述べ、依然として同国にキリスト教精神が深く根付いていることを強調した。
また、「英国国教会は全国民のために存在しているのです。私たちはすべての場所において、心の故郷となる存在なのです」「(教会に)招待されているということを知っていれば、より多くの人が(教会に)来ることでしょう。だから、私は今皆さんを(教会に)招待します」と語った。
一方、今年は参加教派の一つ英国バプテスト連合(BUGB)が、同派に所属する教会の形態に合うようキャンペーンの名称を「The Big Welcome(大歓迎)」に変更した。
BUGBの宣教部門を担当するイアン・バンス氏は、「バプテストのアイデンティティーを反映している、前よりよくなったなど、とても温かくまた肯定的な反応が返ってきている」と、名称変更による手応えを語る。
「名称で『教会』という単語を使わず、『歓迎』を使ったことが高く評価されている。また、『(教会へ)戻る』という表現で対象を絞らないことで、教会へ一度も来たことがない人をより歓迎しやすくなったという声がある。日曜日意外の日に、私の例で言えば夕食会など他の行事を計画しているところもあり、『日曜日』と限定しなかったことも良かったようだ」と語った。