【CJC=東京】7月20日から8日間の日程でウクライナを訪問しているロシア正教会の最高指導者キリル総主教は、訪問を控えた19日、同国メディアとの会見で、教皇ベネディクト16世とは、直面している倫理問題の多くで、真剣に取り組める、と語った。インターファクス通信が報じた。
「現教皇の立脚点は、楽観につながると言うべきだ」と語った総主教、教皇が「西側の自由主義的な神学者やメディア」からその見解をしばしば批判されていることを指摘した。
「しかし、公共問題や倫理問題について教皇の姿勢は完全にロシア正教会の態度と合致している。このことは、カトリック教会と共にキリスト教的な価値観を説く機会が得られることだ。特に国際機関や、国際的な場所でそう言える」と語った。
また総主教は、最近のプロテスタントが「非常に危険な様相」を呈しているとして、「この世の罪に満ちた要素を、それらが世俗社会によって提供されたものであるにしても、内的な世界に持ち込み、それを正当化し」、その結果として「世俗哲学の自由主義的な語句がプロテスタント教会の内部で繰り返され、宗教的な思考の中に根付いている」ことを理由にあげた。
このようにして、「人権という世俗的な概念が神学、教会の慣行と結びついた」時に、女性聖職問題が西側に出現した、と言う。「もう一つ、同性愛に対する態度も同じだ。神の言葉が世俗的な自由の基準に適合するように歪められている。それが罪であることは明確に記されている」と総主教は語った。