【CJC=東京】教皇ベネディクト16世が新たに「新福音宣教評議会」を設立する、と伊紙イルジオルナーレが4月25日報じた。バチカン(ローマ教皇庁)専門アンドレア・トルニエリ記者の記事を掲載した。
同評議会は、これまで「キリスト教国」とされていた国を「再福音化」することを意図したもので、イタリア人のリノ・フィシケラ大司教が議長に就任すると見られている。ただバチカン関係者はコメントを避けている。
教皇はヨーロッパ初め西側諸国で信仰の根源を革新する必要があることをしばしば指摘して来た。新評議会が実現すれば、教皇着座以来最初のバチカン上層部改革になる。
「新福音」という言葉を最初に使ったのは故教皇ヨハネ・パウロ2世。「イル・ジオルナーレ」紙は、この活動を1980年代に推進したのは、「コミュニオンと解放」運動をイタリアで始めたルイジ・ジウッサニ神父だと指摘している。さらに「新福音」をベニスのアンジェロ・スコラ枢機卿が現教皇に再提案し、教皇が実施を決めた、と同紙は報じている。
実現すれば、新評議会は、欧州と北米というかつてはキリスト教が優勢だったが世俗化が急速に進んだ地域に福音を広めることに力を注ぐ。ほとんどが南半球にある「宣教地」での教会成長に責任を持つ福音宣教省(長官イヴァン・ディアス枢機卿)とは別個の組織になる。