明治初期のカトリック教徒らが植樹したとみられる長崎県平戸市の「慈眼桜」(ジゲンザクラ)が3月30日、同市の文化財(天然記念物)に指定された。地元紙・長崎新聞が伝えた。
同市中部の慈眼岳(標高約372メートル)を望む丘に立つ慈眼桜は樹齢約140年で高さ約10メートル、幹回り約3メートル、枝幅約20メートル。伊豆大島などに多いオオシマザクラに近い品種で、近くに明治初期から付近を開拓したカトリック教徒らの集落があることから、教徒らが開拓を記念して植樹したものとみられている。
同市教育委員会文化遺産課は指定の理由を「バランスの取れた樹形が美しく、樹勢もいい。ヤマザクラなどの古木・銘木は全国にあるが、オオシマザクラ系はあまりなく貴重」としている。
慈眼桜は平戸市中心部から車で約50分のカトリック木ケ津教会近く。花はこの1週間が見頃という。