イスラム教徒とキリスト教徒の宗教衝突が頻発しているアフリカ西部ナイジェリアについて、アフリカ北部リビアの最高指導者カダフィ大佐は29日、「旧ユーゴスラビアのようになるのが相応しい」と、衝突を回避するためナイジェリアが複数の国家に分かれればよいとの趣旨の声明を発表した。AP通信などが伝えた。
カダフィ大佐は今月中旬、ナイジェリアが北部のイスラム教徒、南部のキリスト教徒を中心とした2国家に分かれればよいと発言。反発したナイジェリアが駐リビア大使を召還する事態に発展していた。今回の発言により、両国の対立はますます深まるものとみられる。
ナイジェリアは北部にイスラム教徒、南部にキリスト教徒が多く、地域的に宗教が分かれている。このことから北部と南部の中間に位置するプラトー州の州都ジョスなどでは、農地の帰属などをめぐりしばしば両教徒間の衝突が起こり、08年には300人以上、今年1月にも400人以上が死亡している。今月7日の衝突では、一日で500人以上の死者が出た。