【CJC=東京】米福音ルーテル教会(ELCA、信徒460万人)の保守派が内部改革への努力を続けてきたが、今後は8月をめどに独自組織『北米ルーテル教会』の結成を目指すことが明らかになった。新組織は、性問題については伝統路線に立つものと見られる。
ELCAは昨年夏、同性愛聖職を制限しないとの決定をしたことから、これまで少なくとも7教会が離脱を決定している。さらに28教会が離脱の意向を示している。離脱には教会員の3分の2以上の賛成が必要。
新組織は、教義と実践の双方で聖書とルーテル諸信条に忠実だ、と呼び掛け人は主張する。ただELCAに留まることになっても個人として1教会として信仰に忠実ではある、としている。
これまで離脱運動を指導して来た『ルサランCORE』のマーク・シャベズ牧師は、キリスト教信仰の共通の告白と信仰の全ては神の言葉の権威に従うという誓約とで新組織に連なるものは結びついている、と語った。『ルサランCORE』は今後もELCA、カナダ福音ルーテル教会、北米ルーテル教会だけでなく、最保守派のルーテル教会ミズーリ・シノッドも含めたルーテル派のネットワークとして存続させる、とシャベズ氏は言う。
『ルサランCORE』常置委員会議長のポウル・スプリング前監督も、新組織とは福音伝道、神学教育、社会奉仕などで協力することになるので、解散して新組織に合流する計画はない、と語った。
同性愛をめぐる教会分裂としては、米国では2009年に聖公会保守派が『北米アングリカン教会』を結成したことに続くもの。
『北米アングリカン教会』は、米国とカナダで800教会が加入したとしているが、聖公会側は数十教会と見ている。