名前に「玻(は)」という漢字を入れた娘の出生届を名古屋市が「常用・人名用漢字ではない」などとして受理しなかったのは不当として、同市在住の両親が受理を求めた裁判で名古屋高裁は10月27日、訴えを退ける判決を下した。共同通信が伝えた。
出生届受理の可否が争われている名前は「玻南(はな)」ちゃん。旧約聖書に出て来る預言者サムエルの母「ハンナ」と、「瑠璃(るり)も玻璃(はり)も照らせば光る」ということわざから命名したという。
玻南ちゃんは生後11カ月を迎えた現在も未だに戸籍がないままとなっており、両親は4日にも最高裁に抗告する。
名古屋高裁は「明らかに常用平易と認められない以上、戸籍上で使えないことはやむを得ない」と判決を下したが、両親は「子どもをおとしめる文字ではなく、意味のない当て字をしたわけでもない。思いを込めた名前を付けてあげたい」と訴えている。
玻南ちゃんには4人の兄弟がおり、長女の瑠都(るつ)さん(16)など全員が聖書の登場人物に由来しているという。