米国福音ルーテル教会(ELCA=信徒数460万人)は20日、隔年で開催されているミネアポリスコンベンションセンターでの大会で、合同メソジスト教会(UMC=同1100万人)とフルコミュニオン(完全相互聖餐)になることについて審議を行い、賛成958票・反対51票で合意採択した。両教団はそれぞれ米プロテスタントのなかでも大教派。大会は23日に閉会する。審議に参加したのは、約2000人いた大会出席者の内1045人であった。
合意内容によると、今後各教団は共通の信仰告白を用い、双方の洗礼儀式、各教団で按手された牧師の受け入れ、相手側教団で礼拝を行うことなどを認めることになる。また、信徒レベルでの証しや礼拝における交流を増やし、相互間の交わりを深くしていく。双方の聖歌隊の協力・交わりも促進していくという。
一方、各教団の主要課題の決定についてはそのプロセスを共有することで、双方に内在する諸批判の解消を目指す。両教団では同性愛についての内部対立が深刻化しており、今回の合意で問題解決の糸口が見つかることが期待されている。
UMCではすでに昨年四半期の総会で、ELCAとのフルコミュニオンについて賛成864・反対19の圧倒的多数で合意していた。
ELCAのマーク・ハンソン総裁監督は「我々はあなた方が昨年夏に歓迎してくださったのと同様に歓迎する」と述べ、UMCのグレゴリー・パーマー監督協議会会長は「我々双方の教団が積み重ねてきた精神を共有できることを嬉しく思う」と今回の合意を歓迎した。
審議後に開かれた記者会見でパーマー氏は「神は我々両教団に対してイエス・キリストによる召命を伝える広い場所を与えてくださった。まさにこの世界を救うために我々両教団が一つになり、ともに宣べ伝えていくためだ」と語った。
両教団の公式的な神学対話は1977年から始められ、05年には暫定的な相互聖餐関係に至ったと宣言していた。UMCは米国内では他教団とフルコミュニオンを持つのは今回が初めてのことで、一方、ELCAは既に、モラヴィア教会、聖公会、米改革教会、キリスト合同教会(UCC)、米長老教会の5教団とフルコミュニオンの関係にある。