2012年開催のロンドンオリンピック開催に向けて、英国内の教会はオリンピックにあわせた伝道企画の本格的な準備を始め出した。7月16日には国内の教会指導者約300人が参加する会議が行われ、2012年7月27日から8月12日までのオリンピック期間中、教会挙げて伝道をする考えを打ち出した。
会議は、英フットボール・リーグ会長のブラウン・マウヒニィ氏とオリンピックでの伝道活動を目的に組織された宣教団体「モア・ザン・ゴールド(More Than Gold)」によって企画された。
マウヒニィ氏はモア・ザン・ゴールドが「他の(伝道)組織がそのミッションを行うために手助けを与える」団体だと紹介。中央集権的な力よりもパートナーシップ的な関係がより重要だと強調し、モア・ザン・ゴールドが伝道のための新しいアイディアを生み出す場となり、支援を必要としているところに対してはそれを提供する役割を担うようになることを願うと語った。
また、参加した教会指導者らに対して、伝道の妨げになっている要因は「我々の想像力と意欲だけだ」と語り、斬新な伝道方法と伝道に対する意欲の必要性を訴えた。
一方、会議にはクリスチャンズ・イン・スポーツ(Christians in Sport)総主事のグラハム・ダニエルス氏も出席し、1000万人の英国成人がスポーツクラブに所属していることを取り上げ、スポーツ界は大宣教命令が未達成になっている場だと強調。オリンピック開催期間中、「聖霊の力の中で、思いやりの心をもって仕えるように」と参加者らに挑戦を投げかけた。
モア・ザン・ゴールドは96年のアトランタオリンピックの開催以来、オリンピックの開催に合わせて伝道を行ってきた。アトランタでは、オリンピック開催地の近くの教会と協力して計300万杯以上の水を配布。2000年のシドニーオリンピックでは現地の教会と協力して選手の家族の半数以上に住居を提供した。アテネオリンピックでは、教会や市当局と協力して、ギリシャでは史上最大規模の野外クリスチャン・コンサートを開催した。
モア・ザン・ゴールド代表のデイブ・ウィルソン氏は「モア・ザン・ゴールドの役割は真の伝道のビジョンを投げかけ、すべての教会が参加し、成功させること」と語る。「2012年のオリンピックは一つの宣教活動の中で英国の教会が連携し、協力し、キリストの愛を英国に住む人だけにとどまらず、世界中の人々に運ぶ機会となる。このような機会は英国の教会の歴史においてかつてなかったものだ」と語った。
モア・ザン・ゴールドに対してはすでに、英国国教会(聖公会)のカンタベリー大主教やローマ・カトリック教会のウェストミンスター教区大司教、英内閣オリンピック担当相のテッサ・ジョエル氏らが後援を表明している。