女性や同性愛者の聖職者任命などの問題で、米聖公会から離脱した保守派教会が昨年12月に発足させた「北米聖公会」(ACNA:Anglican Church in North America)の創立総会が、22日から米テキサス州ベッドフォードの聖ビンセント大聖堂で始まった。22日には教憲が制定され、正式な教会としての新たな歩みが始まった。総会は25日まで続く。
総会には米聖公会から離脱した主教や司祭、信徒ら約800人が出席し、23日にはサドルバック教会(米カリフォルニア州)のリック・ウォレン牧師が講演を行った。ウォレン牧師は、教会としての使命に焦点を合わせ「イエスのためにさらなる勝利を」と激励のメッセージを送った。
また、米聖公会からの離脱を「歴史的出来事」だと評価し、米聖公会から神が「皆さんを呼び出したのだ」「皆さんの只中で神が新しいことをされたのと同じように、我々も一致のもとに皆さんを支持する」と、同性愛者の主教を認めないなど保守的な北米聖公会の立場への強い支持を示した。
北米聖公会の新大主教に任命されたロバート・ダンカン氏(前米ピッツバーグ教区主教)は、「我々の多くは、この地でイエスに従うために大きな犠牲を払った。我々の多くは、財産を失い、宗教的な財産、収入、補助、地位、友を失った」と語る一方、「我々は成し遂げたのだ、兄弟姉妹よ。北米聖公会が設立されたのだ」と力強く宣言した。
北米聖公会は昨年12月、米国とカナダの保守派陣営が組織する「コモン・コーズ・パートナーシップ(Common Cause Partnership)」が発足させた聖公会の伝統に立つ保守主義の教団。米国とカナダの約700教会、10万人が所属する。
英国のカンタベリー大主教を霊的最高指導者とし、世界160カ国に広がる聖公会(アングリカン・コミュニオン)は現在36の管区にわかれているが、北米聖公会は自らを新たな「管区」だと自認している。しかし、聖公会(アングリカン・コミュニオン)からはまだ正式に「管区」としては認定されていない。