【CJC=東京】バチカン(ローマ教皇庁)から破門された『聖ピオ十世会』の米ミネソタ州にあるグループが6月19日、同州南東部ウイノナの聖トマス・アキナス神学校で13人を司祭に叙階した。
『聖ピオ十世会』が20人以上を叙階するとの情報に、バチカンは17日に今回の叙階を正当なものと認めない、と警告していたが、それを押し切っての決行となった。
ウイノナ教区報道担当は、今回叙階された人は誰も、同教区内だけでなく他の教区でも司祭として仕えることは出来ない、と語った。AP通信が報じた。
『聖ピオ十世会』は1969年にマルセル・ルフェーブル大司教によって設立されたが、第二バチカン公会議の決定に全面的には従わず、特にミサの変革を拒否することで教皇の権威に挑戦する形となった。88年にルフェーブル大司教が、当時の教皇ヨハネ・パウロ二世の意向に反して司教4人を叙階したことが「分裂行動」と断定され、同大司教と叙階された4人は91年に破門された。
「教理上の問題がはっきりしない限り」、同会は教会の中に法的な地位がなく、同会の行う宣教は教会で正当になされるものではないので、同会による叙階はカトリック教会内では有効ではない、と報道事務所は指摘している。