・・・イエスは答えて言われた。「ああ、不信仰な世だ。いつまであなたがたといっしょにいなければならないのでしょう。・・・その子をわたしのところに連れて来なさい。」・・・父親は言った。「幼い時からです。・・・ただ、もし、おできになるものなら、私たちをあわれんで、お助け下さい。」するとイエスは言われた。「できるものなら、と言うのか。信じる者には、どんなことでもできるのです。」するとすぐに、その子の父は叫んで言った。「信じます。不信仰な私をお助け下さい。」(マルコの福音書9章14節〜29節)
6月も既に半ばを迎え、日本全国梅雨入りしましたが、実は皮肉なことに、松山は断水寸前の状態です。1995年の大渇水以来、松山に給水している石手川ダムの貯水量があまりにも小さく、水を大量に使う現在の私たちの生活に即していないため、ダムを大きくしなくてはいけないという話題は何回も出ているのですが、十数年経っても事情は変わっていません。ダムだけではなくて私たちの心の器も、イエスの御心に触れてキリストの愛によって大きくしていただこうではありませんか。
私たちはいま、癒しに向けて私たちの信仰の器を拡大させたいのです。私たちはイエスを信じています。そのはずですが、その段階で終わらせるのではなくて、本当にイエスに向かって私たち一人一人の信仰の器を押し広げたいと願います。
そのための二つの鍵があります。
1.イエス・キリストと出会うと人生の流れが変わる
この父親と息子が体験していた問題は、その場限りの問題ではなくて、人生そのものとも言えるような物語の流れがあります。何年も何年もかけて人生の出来事が動いて、今彼らは救い主イエス・キリストの目の前にいたのです。そして、イエスご自身が彼に触れたときに、彼は悪霊の支配から解放されて、真人間に立ち返ることができたのです。
イエスに触れていただき、イエスのお言葉をいただき、イエスに祈っていただいたときに、それまで彼らが歩んできた悪い人生の流れが、イエスとの接点を通してその向きが変わったのでした。
イエスとの出会いは決定的な出会いになり、あなたの人生の流れを変える大きな転換点となります。
病院に行けば、お医者さんが必要な治療をし、薬を処方して病気を治してくれます。しかし、それは単にその病気の症状が治っただけで、また別の病気になることもあり、まして人生の生き方が変わるということはありません。
しかし、イエス・キリストが与えて下さる癒しは、私たちの命のあり方を変えるのです。病気が癒されるだけではなく、私たちの生き方も、心構えも、そこに起こってくる出来事も変わって、人生の流れそのものが全く違うものに変えられる、そんな癒しを主は与えて下さいます。
単に病気の症状が無くなるようにという小さな求め方ではなく、もっと豊かな祝福を求めようではありませんか。癒されることによって、本当に内側から元気になり、生活の仕方まで変わり、イエスのことを証しすることができるように生き方を変えて下さいと、ご一緒に求めてまいりましょう。
2.心の深みの考え方が変わる
この父親の心の中には、今までの多くの失敗の経験から、失望を最小限に抑えるために期待しすぎないようにしようという思いがありました。そんな心の思いが、「もし、おできになるものなら、私たちをあわれんで、お助け下さい。」という言葉となって彼の口から出ました。でも主は、「できるものならなんて中途半端なことを言うな。信じる者にはどんなことでもできる」と言われたのです。
イエスは、癒しに対する私たちの信仰も変わることを求めておられます。それは、信じる者には、どんなことでもできるという信仰です。
それまでこの父親は、疑いと、いつも失望や絶望に終わる期待で生きてきました。でもこの時、不信仰を悔い改めて、神を信じる生き方へと心構えが変えられたのです。
私たちの信仰の器を押し広げましょう。他人の信仰ではなく、あなた自身が信じるか信じないかのどちらかなのです。私たちが祈れば、神の御業は起こります。
全ての点で恵まれたこの時代にあって、私たちは信仰的に生きているでしょうか。むしろ、不信仰な世の中の雰囲気に汚染されていないでしょうか。
イエスは私たちに対して警告しています。この不信仰な世の中で、私はいったいいつまであなたがたと一緒にいなくてはいけないのか、と。それは、信じることのできるチャンスが与えられている間に信じなさい、ということです。
不可能と思えたことが実現する。それを私たちは信じて歩もうではありませんか。イエス・キリストに向かってあなたの信仰の器を押し広げ、いま癒しの恵みをいただきましょう。
万代栄嗣(まんだい・えいじ)
松山福音センターの牧師として、全国各地、そして海外へと飛び回る多忙な毎日。そのなかでも宗教を超えた各種講演を積極的に行っている。国内では松山を中心に、福岡、鹿児島、東京、神戸、広島、高松にて主任牧師として活動中。キリスト教界のなかでも、新進気鋭の牧師・伝道者として、注目の的。各種講演会では、牧師としての人間観、ノイローゼのカウンセリングの経験、留学体験などを土台に、真に満足できる生き方の秘訣について、大胆に語り続けている。講演内容も、自己啓発、生きがい論、目標設定、人間関係など多岐にわたる。
また、自らがリーダー、そしてボーカルを務める『がんばるばんど』の活動を通し、人生に対する前向きで積極的な姿勢を歌によって伝え続け、幅広い年齢層に支持されている。
国外では、インド、東南アジア、ブラジル等を中心に伝道活動や、神学校の教師として活躍している。