イランの大統領選挙で保守派で現職のアフマディネジャド大統領が圧勝した結果に対し、イラン国内では選挙の不正を訴えるデモが相次いでいるが、イラン国内のキリスト教徒からも「結果は不正」だとして批判の声が出ている。
イラン人キリスト教徒のダリュシュさんは、米国のキリスト教抑圧監視団体「オープンドアーズ」に対して、国民の大半が「今回の選挙を不正だとして、その結果を全く受け入れていない」と語った。
ダリシュさんによれば、イラン西南部の都市シーラーズのシャヒ・シェラ地区でも、宗教色が強く保守的な地区ではあるが、多くの人が革新派のムサビ元首相に投票したという。また、イスラム教徒もキリスト教徒も今回の選挙結果に落胆したと語った。
オープンドアーズでは、ダリシュさん以外にも首都テヘランやイランの主要都市出るシーラーズ、イスファハンに住む28人のキリスト教徒に対して調査を実施したが、全員がムサビ元首相に投票したと答えたという。
イラン国内では開票結果が発表された13日夜から、選挙の不正を訴えるデモが続いており、国営テレビは15日、抗議集会で「7人が死亡した」と伝えている。18日にはテヘランの中心部イマーム・ホメイニ広場で、死者を追悼するデモが行われ、英BBC放送によれば参加者は10万人規模にまで上った。
大統領選の結果を最終承認する権限を持つ護憲評議会はデモの拡大を受け、「買収や偽造身分証明書の使用などがあったと判断されれば、一部の投票箱を再集計する」との方針を示したが、ムサビ元首相らは「再集計は政府が新たな操作する可能性がある」として、再選挙を要求している。