【CJC=東京】イスラエル訪問中の教皇ベネディクト十六世は5月14日午前、ナザレのプレチピツィオ山でミサを捧げた。4万5千人以上が参加した。
バチカン放送(日本語電子版)によると、教皇はこのミサで、ナザレの聖家族を思いおこしながら、両親や子どもの役割に言及した。過去にナザレで起きたイスラム教徒とキリスト教徒間の緊張についても触れ、憎しみや偏見の破壊力に負けず、平和な共存のための橋を築いていくよう、信者たちに呼びかけた。ミサの終わりに教皇は、ナザレに創立される『家庭のための国際センター』の礎石と共に、聖地で初めてのアラブ・カトリック系大学、および『ヨハネ・パウロ2世記念公園』の礎石を祝別した。
その後、教皇は受胎告知教会(お告げの教会)の付属ホールで、ガリラヤ地方の諸宗教関係者らと会見した。ユダヤ教、キリスト教、イスラム教、ドゥルーズ派の代表者らが多数出席した。教皇はこの席で、宗教を超えて善意の人々が一致し、よりよい世界の構築に努力しながら、子どもたちを狂信主義や暴力から守っていこうと呼びかけた。また、「平和の文化」と相互尊重を育て、巡礼地をめぐる諸宗教間の緊張をなくし、静かな祈りの環境をすべての人に保証する必要を述べた。集いの終わりに、「シャローム」「サラム」「ピース」と平和の言葉が歌われる中、教皇はユダヤ教とイスラム教の指導者らと手を取り合い、その腕を天に高く上げた。
ナザレでの一日の締めくくりとして、教皇は『お告げの洞窟』を巡礼、受胎告知教会で、地元の教会関係者らと共に夕べの祈りを唱えた。