「私は、私を強くしてくださる方によって、どんなことでもできるのです。」(ピリピ4:13)
この本を手にされたあなたは、すばらしい人生へ、今まさに旅立とうとしています。これまでの「古い考え方や生き方」に"さようなら"して、「新しく変えられた人生」へ、スタートするのです。
人はだれでも、豊かな人生を生きる権利と資格を、持っているのです。心の安らぎ、健康、あらゆる面での幸福感を味わうことができるのです。ところが現実には、ごく限られた人しか、幸福で豊かな人生を生きていません。このすばらしい人生は、万人のものなのです。
さあ、幸福感に満ちあふれた、心豊かな、新しい人生へスタートしましょう。
その第一の鍵は、自分自身に自信を持つことです。
あなたには、限りない可能性が与えられています。今まで眠っていた可能性、やる気を引き出しさえすれば、あなたは人間として成長するばかりでなく、他の人にも影響力を与える、偉大な人間となれるのです。本当の自分は、自尊心やエゴイズムの固まりとは別のものです。限りない可能性は、自分の内面や欠点を人に見せ、心の触れ合いを深め、他の人の人生をさえ豊かにする力なのです。
あなたが本当の「自信」を持つならば、あなたの人生は充実したものとなります。他の人への影響力、人間関係を広げる能力、実行力、創造力、健康管理など、人生を充実させるのに役立つ特性を身につけ、強化させる「自信」です。
この本を繰り返し読んで下さい。決してあきらめてはなりません。中途半端は「自信」を挫いてしまいます。最後まで耐え忍ぶ者が、勝利者になるのです。
アメリカのゴールド・ラッシュ時代、R・U・ダービーは、彼の叔父と一緒に、ショベルとピッケルをかついで、西部へやって来ました。間もなく、コロラド州で最も良質の金鉱脈を掘り当てました。採掘設備を整え、彼らは一生懸命働き続けました。ところがある日突然、金の鉱脈が消えてしまったのです。それでもダービーたちは絶望と戦いながら、祈るような気持ちで、さらにドリルを掘り下げて行きました。結局は無駄でした。金の鉱脈はなくなり、彼らの努力も夢もはかなく消えてしまいました。
ダービーたちは最後の決断を下し、採掘設備のすべてを、わずか数百ドルで屑屋に売り払い、鉱山の権利も譲ってしまいました。ところが屑屋は、スクラップにする前に鉱山技師に頼んで、念のため再調査をしてもらいました。その結果、ダービーたちがあきらめた地層からわずか三フィート下に、無限の金鉱脈が眠っているのがわかったのです。
ダービーは学びました。そして「すぐあきらめる男」から、「決してあきらめない男、食いついたら離さない男」へ変身したのです。彼は、全米生命保険業界トップ・セールスマンとなりました。ダービーの口ぐせは、"見込客がノーと言っても、決してあきらめてはいけない。私は鉱山での失敗は二度と繰り返さないぞ!"でした。
何時の場合でも、成功を勝ち取るまでの人生は、絶望と挫折、失敗と涙の連続、繰り返しなのです。アメリカで、成功者と呼ばれている五百人の、共通している体験談があります。それは、―偉大な成功というものは、人々が敗北に兜を脱いだ時点を、ほんの少し過ぎた時にやってくる!―
どれほどの困難でも、どこまでも初志を貫いてゆけば、必ず乗り越えることができます。あなたに「自信」が生まれると、どんな絶望も乗り越える勇気と力が湧いて来るのです。
この本の目的は、あなたに安易な道を提供することではありません。こんなことばがあります。"人に魚を恵んでやれば、その人は一時の飢えは満たすことができる。しかし、魚の捕り方を教えれば、二度と飢えることはない"そうです! この本は、あなたに「自信」を与え、二度と飢えることのない人生、幸福で満ち足りた成功の人生を約束します。
それでは、あなたはどのようにして、確信と自信に満ちた人生を、自分のものとすることができるのでしょうか。
第一に、「私はできる」と、大胆に宣言することです。
私の知り合いの電気会社社長はとても気の弱い男でした。社長業を継ぐ自信が全くなく、恐れで蒸発を考えるほどの毎日でした。そんな時、聖書の一節が彼の心を捕らえたのです。
「私は、私を強くしてくださる方(イエス・キリスト)によって、どんなことでもできるのです」(ピリピ4:13)
彼は、洗面所の鏡に、そのことばを貼り、毎朝毎晩、鏡に写る自分の顔に向かって、そのことばを宣言しました。それからもう十年が経過しましたが、従業員十数名だった会社は、今では五十名、不況の嵐を乗り越え、業績を伸ばし続けています。
何がこの意気地なしの、気弱な男をこんなにまで変えたのでしょうか。それは「私は・・・どんなことでもできます」宣言だったのです。繰り返し、繰り返し語る言葉が、彼の思いを占領し、やがて自信に満ちた言葉となり、態度となり、行動となったのです。それは難しいことではありません。あなたにすぐ出来ることです。変身への第一歩は「私は・・・どんなことでもできます」と積極的に、大胆に宣言することからスタートするのです。
人間の心は、コンピューターと同じ働きをします。コンピューターが、インプットされたものだけをアウトプットするように、あなたの心も、与えられたプログラムに応じて、行動するのです。あなたは今まで、自分自身や自分の能力に対して、消極的な考えだけをインプットして来ませんでしたか。消極的な考えは、心というコンピューターの中に、抵抗器を作り上げてしまいます。抵抗器を持っていると、すべてを否定的に考え、他の人からも冷たく扱われ、結局、自信をなくしてしまうのです。
この本は、あなたの心のコンピューターに、新しいプログラム、そう、イエス・キリストをお入れします。あなたは自分の内面(知性・感情・意志)に、急激な変革を体験するようになるでしょう。「イエス・キリスト」はあなたの性格を変え、品性を新しくし、すばらしいパーソナリティを持つ新しいあなたへと変えます。健康面でも、仕事や家庭など、経済的にも社会的にも。また趣味や教養はもちろんのこと、精神的にもゆとりを持ち、行動のスケールが一段と大きくなります。仕事の成果はめきめきと上がります。あなたの回りの人々はこぞって、あなたに好意を示します。新しいあなたの誕生に、あなたよりも先に回りの人々が気付き、きっと驚くことでしょう。
こうなれば、もう以前のようなおどおどした態度やびくびくした行動、力の無い話し方から"さようなら"です。欲求不満や、イライラ、あらゆるストレスに悩まされることもありません。自信にあふれ、勇気を持って、あらゆる事柄に対処することができます。回りの人々はあなたに頼もしさを感じ、人生はあくせくしなくても、自然に流れるように回転するでしょう。
第二に、自分の価値を認めることです。
どんなに上手に、「私はできる」と宣言しても、自分の価値、値打を認めなければ意味がありません。あなたの命は、全世界で一番尊い価値のあるものなのです。世界の人口は五十億ですが、その中にあらゆる歴史や時代を貫いて、たった一つしか存在していない命、それがあなたなのです。
生物学的に言えば、一回に射出される精液の量は一〜六ccで、一ccの中の精子の数は普通六千万〜一億です。だから、あなたが誕生したということは奇蹟なのです。そして、あなたが生まれたということは、あなたが「勝利者」であることの証なのです。なぜならば、膨大な数の精子の中から、一億〜六億のライバルに勝ち抜いて、卵子と結合して生まれたのが、あなただからです。たとえ間違って生まれて来たとしても、あなたの命が存在していること自体が勝利であり、偉大なことなのです。自分自身の価値を認め、自分に勝利の栄冠をかぶせて下さい。
あなたはすばらしい勝利者です。全世界にたった一人しか存在しない、貴重な人間です。鏡をしっかり見つめて"お前はすばらしい存在なのだよ"と語りかけ、自分を重要人物VIPとして扱って下さい。必ず自信が湧き上がって来ます。
第三に、自信のある態度と行動力を養うことです。
自信にあふれている人は、無気力・憂鬱、不安・退屈、嫌悪感、疲労などとは、縁がありません。ダイナミックな喜びと活力に満たされています。だれでも中途半端に生きる必要はありません。もしいつも無気力に過ごしているなら、生きてはいても死んだも同然です。あなたに「自信」が生まれるなら、喜び溢れ、バイタリティを得て、楽しく生きることができます。
その秘訣は何でしょうか。それは喜びとバイタリティに満ちているかのように振舞うことです。
生命力と情熱に溢れ、健康ではちきれているかのように、喜びを抱いているかのように「振舞う」のです。必要なら、新しいスーツやネクタイも助けになるでしょう。ステイタス・シンボルとなるような小道具も役立つでしょう。そうすれば、「自信」はあなたのものになります。たしかに態度は事態を変えてしまいます。不可能でないかのように行動すれば、不可能は消えてしまいます。
<自信を養う五つの行動様式>
1.前に座るように心がける・・・前に座るのは、いつも重要人物です。前に座ることは自分を重要人物として扱うことです。引っ込み思案からは、自信は生まれません。
2.じっと相手の顔を見る習慣をつける・・・おどおどせず、相手の目をじっと見つめながら、にこやかに語りかけてごらんなさい。
3.25パーセント速く歩く・・・肩を引き、頭を高く上げ、普通の人々よりも少し速く歩いてごらんなさい。自信が次第に大きくふくらんで来ます。
4.進んで話す・・・あなたの方から話しかけることは、最も友好的な方法です。気軽に声をかけてみることです。自信が湧いて来ます。
5.大きくほほえむ・・・笑顔は人の心を開き、回りを明るくします。ほほえみのあるところに人々は近づいて来て、あなたに自信を与えます。
毎日、この五つの行動様式を実行すれば、あなたは本当に自信にあふれた人に変わります。行動することが自信を与えます。それが生きることです。行動とは、自分の手で人生を切り開いて行くことです。
「今の、この瞬間をのがさず、つかみとれ
あなたにできること、そしてできると思っていることは、すぐに実行せよ
勇気を出せば、才能は目ざめ、魔法の力が湧いて来る
まず行動せよ、そうすれば、心は次第に熱くなる
まず始めよ、そうすれば、仕事は必ず完成する」 (ゲーテ)
「自信」を持つことは、単純な原則の中にあります。
1. 私は・・・どんなことでもできると、毎日宣言する。
2. 自分の値打ちを認める。
3. 自信を持って行動する。
(C)プレイズ出版
榮義之(さかえ・よしゆき)
1941年鹿児島県西之表市(種子島)生まれ。生駒聖書学院院長。現在、35年以上続いている朝日放送のラジオ番組「希望の声」(1008khz、毎週水曜日朝4:35放送)、8つの教会の主任牧師、アフリカ・ケニアでの孤児支援など幅広い宣教活動を展開している。
このコラムで紹介する著書「輝き・可能性への変身」(2000年、プレイズ出版)は、同師が「ラジオ番組 希望の声」シリーズとして出版したもの。机上の空論ではなく、著者自身がその生涯において実現し、今も継続している生きた証しを紹介している。