昨年米国では、聖書の売り上げが大幅に増加し、2023年と比べて22%も上昇した。ウォール・ストリート・ジャーナルのデータによると、24年の最初の10カ月間で、1370万冊の聖書が販売されたようだ。
専門家は、聖書への関心が強くなった要因は世界的な混乱と不確実性の高まりにあると指摘している。「人々は自分自身や子どもたちの未来について心配しています」と、福音派キリスト教出版社協会の会長であるジェフ・クロスビー氏は述べている。人工知能や混乱する世界情勢などの問題が、安全と希望への欲求をかき立てているようだ。書店関係者によると、初めて聖書を購入する人々が増えているとのことで、多くの人々、特に人生の大きな問いに対する答えを探す若者たちは、聖書の中に希望を求めているのだ。
「聖書の現状2024」によると、Z世代の若者(18〜27歳)の21%が、最近1年間で聖書の使用頻度が増えたと報告している。そのうちのほぼ半数が、聖書によって彼らの人生が変えられたと語っているのだ。「この世代は明るい兆しです。彼らは信仰を深める方法を積極的に探しているのです」と、米国聖書協会のジョン・プレイク博士は述べている。
また、キリストを信じていることを公言する有名人やセレブリティーの影響も重要な役割を果たしている。彼らはユーチューブや TikTok などのプラットフォームを通じて、何百万人もの人々に証しを共有し、人生の答えを導き出すために、聖書の中に答えを探求するよう人々に促しているのだ。
この売り上げの増加は、霊的な真理とそれにつながることに対する広範な渇望を反映している。「多くの人々が確かなものを探し求めている時代に、私たちは生きています。聖書は彼らにそれを提供するのです」と前述のクロスビー氏は指摘する。聖書に対するニーズの急増は、人生の答えと深い意味を求める、変動する社会の顕著なトレンドを示しているのである。
主イエスは言われた。「あなたがたは、聖書の中に永遠のいのちがあると思うので、聖書を調べています。その聖書が、わたしについて証言しているのです」(ヨハネ5:39)。聖書が指し示す最大のテーマと希望はまさしく「キリスト」なのだ。そしてこのキリストは、不安が増大する時代のただ中で、確かな希望を探し求める人々によって見いだされている。
聖書の言葉が真理であり、確かであることは、それを手に取ってキリストと出会い変えられた、おびただしい人々によって証しされているのである。近年「教会離れ」がささやかれ、聖書を神の言葉だと信じる人の割合が減退している米国で、今回報告された内容は明るい兆候を示している。米国の人々、特に若い人々が「信仰のアメリカ」「聖書のアメリカ」を取り戻すことができるように祈っていただきたい。
■ 米国の宗教人口
プロテスタント 35・3%
カトリック 21・2%
正教 1・7%
ユダヤ教 1・7%
イスラム 1・6%
無神論 16・5%
◇