1999年にポルトガルから返還されたマカオは、隣接する珠海市と共に、中国にとっては重要な特別行政区であり、高度な経済的、政治的自治が認められている。
600年以上前にイスラム教徒が西アジアを征服して以来、マカオは、アジアで初めてキリスト教を信仰しない領土となった。そして、1600年当時は人口の95%がカトリック教徒だったが、現在のキリスト教徒数は人口の5%未満である。
実は、中国へのプロテスタント宣教はマカオから始まったのだ。宣教師が最初の中国人改宗者に洗礼を授けたのは、このマカオでの出来事だ。最初の中国語聖書を翻訳し、中国への最初のプロテスタント宣教師を埋葬したのもこの場所だった。
現在、多くの人が仏教や道教、中国の伝統的な宗教を信仰している。ギャンブル産業、地元の神「※媽祖(Mazu)」への恐れ、教会の指導者の入れ替わりの激しさなど、全てが福音の普及を妨げている(※媽祖は、マカオや中国南部の沿岸地域で非常に信仰されている地元の海の女神)。
この領土を救い主のために取り戻すことができるよう祈ろう。経済の大部分を支えるのは、カジノなどのギャンブルによるところが大きく、これは慢性的な政治の腐敗や貧富の格差、犯罪や暴力の温床となっている。そのカジノ収益は、米国のラスベガスを上回るほどだ。そのような中にあっても、聖霊派、福音派が成長している。しかしギャンブル、売春や薬物乱用などの乱れた風紀は、個々の教会成長を妨げている。
拝金主義はまさに偶像だ。また、中国人の仏教や先祖崇拝などのしがらみにも縛られている。これらの妨害に負けず、聖霊派、福音派の信者が宣教に励むよう祈っていただきたい。
■ マカオの宗教人口
中国伝統宗教 62・0%
仏教 17・1%
無宗教 14・9%
プロテスタント 1・6%
カトリック 3・2%
バハイ 0・5%
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