次期米大統領候補のドナルド・トランプ前大統領とカマラ・ハリス副大統領は、共に自身をキリスト教徒あるいは宗教的だと主張しているが、ほとんどの米国人は両氏を、とりわけキリスト教徒として見ているわけではなく、また宗教的だとも思っていないことが、最近の世論調査(英語)で分かった。
調査は、AP通信社とシカゴ大学全国世論調査センター(NORC)の共同組織「AP-NORCセンター」が、9月12日から16日にかけて、2028人の米国人成人を対象に実施した。
それによると、「キリスト教徒」という言葉が、トランプ、ハリスの両氏を「非常に」または「とても」よく表していると答えた米国人は、いずれも14%に過ぎなかった。
これに対し、「ある程度」よく表していると答えた人は、トランプ氏が22%、ハリス氏が33%だった。また、「ほとんど」または「全く」よく表していないと答えた人は、トランプ氏が63%、ハリス氏が50%で、米国人の間では、トランプ氏の方がハリス氏よりも、「キリスト教徒」と表現するのにふさわしくないと思われていることが分かった。
さらに、「宗教的」という言葉が、トランプ、ハリスの両氏を「非常に」または「とても」よく表していると答えた米国人はさらに少なく、いずれも12%だった。「ある程度」よく表していると答えた人は、トランプ氏が23%、ハリス氏が31%で、「ほとんど」または「全く」よく表していないと答えた人は、トランプ氏が64%、ハリス氏が53%だった。
白人福音派プロテスタントは、約7割(69%)がトランプ氏に対し「好意的」な印象を持っていると答えた。一方、トランプ氏が自分たちの宗教観または信条を体現していると答えた人は、それに比べると少なく、約半数(54%)だった。また、「キリスト教徒」という言葉が、トランプ氏を「ほとんど」または「全く」よく表していないと答えた人は、白人福音派プロテスタントの間でも約半数(48%)に上った。
これに対し、白人福音派プロテスタントは、約8割(82%)がハリス氏に対し「非好意的」な印象を持っていると答え、「好意的」な印象を持っていると答えた人は15%にとどまった。また、ハリス氏が自分たちの宗教観または信条を体現していると答えた人は、9%しかいなかった。さらに、「キリスト教徒」という言葉が、ハリス氏を「非常に」または「とても」よく表していると答えた人はわずか2%で、「ほとんど」または「全く」よく表していないと答えた人は81%に上った。
白人カトリックと白人主流派プロテスタントは、約半数(56%、51%)がトランプ氏に「好意的」な印象を持っていると答え、いずれもハリス氏(35%、44%)を上回った。
一方、自分たちの宗教観または信条を体現している候補者については、白人カトリックの間では、ハリス氏(21%)よりもトランプ氏(40%)を挙げる人の方が多く、白人主流派プロテスタントの間では、トランプ氏(26%)よりもハリス氏(30%)を挙げる人の方が多かった。
ヒスパニック系プロテスタントは、トランプ、ハリスの両氏に対しほぼ同数(43%、41%)が「好意的」な印象を持っていると答えた。一方、ヒスパニック系カトリックは、トランプ氏(44%)よりもハリス氏(53%)により「好意的」な印象を抱いていた。
黒人プロテスタントは、75%と圧倒的な割合がハリス氏に対し「好意的」な印象を持っていた。それに対し、トランプ氏に「好意的」な印象を持っている人は16%のみだった。
「道徳的」または「正直」という言葉が、「非常に」または「とても」よく当てはまると答えた人は、ハリス氏が約3割(33%、32%)だったのに対し、トランプ氏はその約半分(共に15%)だった。
「道徳的」または「正直」という言葉が、「ほとんど」または「全く」当てはまらないと答えた人は、ハリス氏が約4割(40%、42%)だったのに対し、トランプ氏は約6割(66%、63%)に上った。