政情不安の中、刑務所暴動が起き、非常事態宣言までが発令されるベネズエラであったが、刑務所伝道に励む信徒宣教者アレイダ・メヒアは、受刑者たちへの大きな霊的必要があるにもかかわらず、不足する奉仕者や刑務所職員の冷遇など、困難や逆風を受けながら、それでも刑務所伝道を続ける十分な価値があると語った。(第1回から読む)
彼女は続けて言う。
「一方、私たちが自分自身に感じる恐怖もあります。私たちの(霊的な)家族は、私たちが社会で最も軽蔑されている人々の一人であり、『使い捨て』あるいは汚物としての汚名を着せられることを恐れています。しかし、これはまさにイエスが私たちに望んでいる場所です。主は、主の全ての子どもたちを愛するようにと、私たちに呼びかけておられます。なぜなら、全ての人間が、救いを必要とする罪人だからです」
犯罪組織は、しばしば15歳から27歳の若者を勧誘する。そしてその多くは、使い捨ての駒のように扱われた挙げ句、収監されて暴力行為に及んでいる。全うな人生を送る希望を失った若者たちは、犯罪の道を突き進む誘惑にいとも簡単に負けてしまうのだ。
グアヤキル大司教区の刑務所担当コーディネーターであるマリア・クリスティーナ・サンタクルスは、誰も刑務所制度を信じていないと嘆く。「この世界は無視されるべき世界だと思われています。しかし、神の御言葉は最も困難な心の持ち主のために憐(あわ)れみがあるのだと教えています。私は希望を持っていますし、このプロジェクトが神の御心にかなうものであると信じています」
アレイダとマリアの二人の信徒宣教者は、司教、司祭、宗教家、信徒宣教者を含む100人以上のチームの一員であり「兄弟のために自分の命を犠牲にする」というこの使命に献身している。囚人たちとの活動には、キリスト教の価値観や信仰に関する講義、ミサ、ワークショップ、講座などが含まれる。「私たちは深い改心を目撃し、キリストがこれらの魂を自由にされるのを見てきました」とマリアは言う。
このプログラムでは、受刑者の家族を支援し、受刑者が自由を取り戻したときに誠実な生活を築けるよう、職業訓練も行っている。「これらの魂の多くは既に刑務所を出て親となり、社会に貢献しています」とアレイダは結んだ。
エクアドルの過酷な刑務所伝道に挑む、これらの命懸けの献身をする兄姉たちのために祈ろう。エクアドルの治安回復と宣教拡大のために祈っていただきたい。
■ エクアドルの宗教人口
カトリック 80・6%
プロテスタント 8・5%
英国教会 0・02%
正教会関係 0・02%
イスラム 0・03%
ユダヤ教 0・01%
◇