「壮行会をしてしまおう!」
ビザは九月末位にしか発給されないだろうというのが、タイのOMFオフイスからの最近の連絡でした。 私たちは七月末には渡タイが可能ではと思って手続きをしていました。一人あたり三十枚、計六十枚もの写真を二度に分けて送りました。それでも、四月より手続きを始めたのに九月になりそうというのです。久しぶりにタイ・タイムの宣教師時代に戻った気分でした。
しかし、実に落ち着かない中途半端な気分です。母からは「行かないで済むならそれもいいんじゃない」などと言われて複雑な気持ちです。そんな中で、私達を派遣する東京フリー・メソジストの群れとしても、対応に苦慮するものがありました。八月一日の日曜日午後には壮行会ということが牧師会では決められていました。それなのにビザがおりそうもない、ということになったのです。私たちの住む環境や日常生活の必要品、衣類、本や荷物も皆、中途半端です。そんな中で、八月からは北海道・大阪方面の諸教会に巡回することがOMFで急遽、決められました。それで、これを機に、東京フリー・メソジストとしては「壮行会をしてしまおう!」野尻達をOMF宣教師として派遣・壮行する集いを八月一日、予定通り実施しようという事になったのです。群れの全教会の牧師・宣教師と宣教委員、兄姉たち、そして駆けつけて下さいました出身神学校院長の平位全一師、OMFの牧野師、細川師より、私たち夫婦はお励ましの言葉と宣教派遣の按手を受けました。いよいよと、身の引き締まる思いでした。
そして、急な予定を組んで頂き、先ず、北海道の教会へと二週間の旅をしました。様々なお交わりとお励まし、おもてなしを頂き、霊肉共に、夏の北海道での最高の時を持つことが出来、ビザのためにも沢山のお祈りを頂きました。東京に帰宅してすぐ、ビザが発給されたとの報せを日本委員会黒沢姉より受け、御名を崇めました。十月五日に出発の予定です。皆様のお祈りを心から感謝申し上げます。(孝篤師)
北海道巡回は、私にとって思いがけない、又、初めてのものでした。
札幌は当初は関東と変わらない暑さでした。「こんな暑い夏は初めてですよ。北海道の家は冬は暖房完備だけど、夏は冷房が入っていないからこんなに暑いとたまらない。東京の親戚の家はクーラーきいてて涼しかったなー」と、町の食堂のおばさんはぼやいていました。少ししたら「さすが北海道!」という涼しさになりましたが、人々の心は苫小牧の高校野球の優勝で熱く燃えていました。
北海道の各地から集まって来る聖会ではずっと以前からお手紙の宛名には書かせて頂きながらお目にかかった事の無かった牧師先生や宣教師の方々にもお会い出来、感謝でした。中には、「私が中学生の時、野尻先生が私の教会に来られました」とおっしゃって、その時以来、祈りに覚えていて下さった、今は三人のお子さんのお母さんにもお会いし感謝でした。日本から派遣される宣教師のためにずっと祈りの手をあげていて下さった方々、また、毎月、時間を作って祈って下さるブループの方々。このような祈りがあってこそ、かつての日々支えられていたし、これからも支えられて行くのだな、と改めて感謝でした。
室蘭の地球(アイヌ語チケウ)岬では、太陽が海に沈むという、太平洋側に住む者が見たことのない光景を見ました。海の向こうに国々が広がっている地球大の壮大なロマンを実感しました。パウロがマケドニア人の幻を見たのも、このような、うっすらと対岸が見えるか、という海の広がった海岸であったのかと、しばし、聖書の出来事にも思いをはせました。(明子師)
【祈りの課題】
1.ビザがついに発給されました。10月5日(火)出発です。よい準備のためお祈り下さい。
2.チェンマイの日本人の方々が沢山紹介されています。よい慰めと救いがもたらされますように。
(OMF宣教ニュース 2004年10月号より転載)