東日本大震災の被災地復興を願って13年間にわたって開催されてきた「3・11復興支援超教派一致祈祷会」が、復興支援定期チャリティーコンサート「STAND TOGETHER for Relief」として生まれ変わり、新たにスタートした。26日にウェスレアン・ホーリネス教団淀橋教会(東京都新宿区)で開催された第1回のコンサートには、200人以上が参加。クリスチャンアーティストらが各被災地の復興を願って歌うとともに、能登半島地震の現地報告などが行われた。
被災地の復興支援を目的とした祈祷会は、東日本大震災が発生してから1カ月後の2011年4月11日に第1回が開催された。その後も毎月11日に淀橋教会を会場に欠かすことなく開催を続け、近年は東日本大震災だけでなく、国内外で発生する地震や他の災害にも対象を広げ、一日も早い復興を願い、祈りをささげてきた。
被災地などで活動する人から直接話を聞く「現地報告」の時間が毎回あり、有志のクリスチャンアーティストらによる被災地支援プロジェクト「Pray for All Japan」が中心となって賛美奉仕をしてきた。
「STAND TOGETHER for Relief」はその精神を引き継ぐもので、「Pray for All Japan」のクリスチャンアーティストらが中心となって出演する。初回となったこの日は、サルーキ=、KAZUHA、MARISA、三宮すみれ、牧野竜之介、田中翼らが出演。ゴスペルシンガーの神山みさと坂上悦子は、ナビゲーターとしてステージに立った。
ゴスペルシンガーソングライターのKAZUHAは、オリジナル曲「Keep on praying」「美しいひとよ」「Bless This Place」の3曲を披露。「神様の好意に触れるのに、一生懸命さはいらない。だって、私たち愛されているから」と語り、「神様がどのように私たちを思っているかを受け取れば、祈りが私たちのライフスタイル、生活そのものになる。今日受け取りたい」と呼びかけた。
サルーキ=は、この日発売のニューアルバム「恵みのロックンロール」収録の「アメイジンググレイス」などを熱唱。能登半島地震の被災地でボランティアに参加した体験を語り、「みんながみんなを必要としている。心がすごくシンプルになって、人が大切にしなきゃいけないものを思い出させてくれた」と話した。また、主の祈りの「御国をこの地に来らせたまえ」にある「この地」とは自分の「心」だと語り、「聖書に書いてあるように本当に生きてみたら、神様の奇跡を自分の人生で体験することができる。その人には、聖書の話が本に書いてある良い話ではなくて、自分の体験になる。もう恵みで生きていくしかなくなる」と証しした。
コンサートでは、石川県内の諸教会が設立した「能登地震キリスト災害支援会」(能登ヘルプ)で支援チームリーダーを務める市來(いちき)雅伸氏(九州キリスト災害支援センター本部長)が、現地レポーターとして能登半島地震の被災地支援活動について話した。
市來氏は、「ここに来て、(被災地のために)祈られているのを見ると、また頑張ろうと思いました。このような集会があることを感謝したい」と話した。一方で、被災地の復興には「遅れが見られる」と報告。被災地では高齢化が進んでおり、家の片付けなどで困っている被災者も多いとし、「ボランティアは今から必要です。ぜひ祈っていただきたい」と語った。
自身がディレクターを務めるクワイア「ETERNAL LIFE」と共に出演し、東日本大震災の被災地を覚えて作られた曲「I Choose To Live」や「Fire」を歌ったMARISAは、「(被災地を)忘れないことを覚えていかなければならないと心から思います」とコメント。「生きていくことを選んでいきましょう。私たちが生きる先には素晴らしいことが必ず起きるから」と呼びかけた。
会場全体で各地の被災地のために祈る時間もあった。最後は、出演者全員がステージに立ち、「Pray for All Japan」のテーマソング「わたしを守る方」を合唱。神山みさが「共に立ち上がろう」と呼びかけると、会場が一体となって「STAND TOGETHER」と声を合わせた。
集会の模様はユーチューブでライブ配信され、現在も閲覧できる。「STAND TOGETHER for Relief」は今後、毎月第4金曜日に淀橋教会を会場に開催される。チャリティーコンサートだが入場は無料で、代わりに被災地復興支援のための席上献金がある。次回は5月24日。久米小百合、塩谷達也、Hopen、野戸保奈、江古田ゴスペルクワイアらが出演する。現地報告は、能登半島地震の被災地で支援活動を行う「LOVE EAST」共同代表の天野真信氏(ニューソングチャーチ牧師)と理事の三浦灯氏。今後の情報は、「Pray for All Japan」のホームページを。